1. 世界で何番目?日本人の平均年収の推移
OECD(経済協力開発機構)の世界の平均賃金データ2021によると、日本人の平均年収は4万0849ドル。1ドル110円で換算して約450万円ほどになります。
2020年にくらべると一時的に2654ドルほど増加していますが、1990年の約3万8000ドルからほとんど変わらない水準をただよっています。
OECD加盟国の平均である5万2436ドル(年収600万円前後)からは大きく下回り、順位でみても34カ国中24位という結果です。
2. この30年で世界の平均年収はどのくらい上がっていたのか
1990年-2020年までの30年間で、世界の平均年収はいくらになっていたのか主要7カ国を比較してみましょう。
- 日本‥‥‥3万6739ドル→3万8194ドル(1.04倍)
- アメリカ‥4万8789ドル→7万2817ドル(1.49倍)
- イギリス‥3万3334ドル→4万8718ドル(1.46倍)
- カナダ‥‥4万0576ドル→5万6258ドル(1.39倍)
- イタリア‥3万9746ドル→3万8686ドル(0.97倍)
- フランス‥3万5939ドル→4万6765ドル(1.30倍)
- ドイツ‥‥4万1995ドル→5万6015ドル(1.33倍)
日本とイタリアをのぞく主要な先進国では、年収が1.3~1.5倍に上昇しています。
1990年の3万6739ドル(約400万円)を基準とした場合、日本人の平均年収も1.3倍であれば約520万円。1.5倍であれば約600万円になっていたかもしれません。
しかし日本にかつての勢いは無く、世界の経済成長から取り残されているのが実態だと言えるでしょう。
もちろん国によって雇用制度や失業率などが異なるため、平均年収だけで「良いか悪いか」を判断することはできません。
ただし、このまま日本人の年収はほとんど変わらず世界の賃金水準や物価だけが上がっていった場合、私たちの生活にどういう影響が出るかは考えておかなくてはいけません。