公的年金を支払う、もしくは「免除制度・納付猶予制度」の利用の検討を
「老齢年金・障害年金・遺族年金」それぞれの受給要件をご紹介してきましたが、知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
「老後に貰えるのが当たり前」という印象の強い年金ですが、受給要件が定められています。それぞれの年金の受給要件を見ても分かる通り、まずはきちんと年金を支払うことが重要と言えるでしょう。
公的年金は老後はちろん、障害を抱えたり、家族に万が一のことがあったりした場合にも、生活の一部を支えてくれます。最近では年金はあてにできないという風潮もありますが、老後や万が一のときの生活資金の柱となることを覚えておきましょう。
ただし、長い人生ではさまざまな事情で年金を払うのが苦しくなるときもあります。その場合には「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」の利用を検討しましょう。
「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」が利用できれば、保険料の免除や納付猶予が承認された期間は年金の「受給資格期間」に算入されます。
将来の年金額が下がることもありますが、期間内であれば追納も可能です。ひとりで悩まずに、こちらも年金事務所等で相談しましょう。
当たり前の印象が強いものこそ細かな確認を忘れてしまいがちですが、いざという時に困らないよう、前もって受給要件を知っておくことは大切でしょう。
また、2022年10月にはパートの方の社会保険の適用も拡大されます。
老齢年金は終身でもらえるというメリットもありますから、働き方を選ぶ際には、公的年金の内容もあわせて検討されるといいでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「老齢年金(受給要件・支給開始時期・年金額)」
- 厚生労働省「年金を受けとるために必要な期間が10年になりました」
- 日本年金機構「障害年金(受給要件・請求時期・年金額)」
- 日本年金機構「遺族年金ガイド 令和4年版」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
宮野 茉莉子