3. 厚生年金を20万円以上受給した男性の手取り額

ただし、厚生年金は額面通り受け取れるわけではありません。給料と同じように、年金からも税金や保険料が引かれるのです。

天引きされるお金には、「所得税」「住民税」「健康保険料」「介護保険料」があります。健康保険料とは、75歳未満なら「国民健康保険料」、75歳以上なら「後期高齢者医療保険料」を指します。

年金額面が月20万円とすると、年額にして240万円です。この場合、手取りはいくらになるのでしょうか。自治体によって異なりますが、今回は東京都中野区の一人暮らしの男性の例を紹介します。

65歳以上の場合、年金収入が240万円の方は公的年金等控除が110万円のため、雑所得が130万円になります。

3.1 所得税と住民税

所得控除が基礎控除と社会保険料控除(下記で試算)のみと仮定すると、天引きされる税金は所得税と住民税をあわせて約10万円になります。

3.2 国民健康保険

東京都中野区の場合、所得割は基礎分保険料(算定基礎額×7.58%)と支援金分保険料(算定基礎額×2.36%)で求めます。さらに均等割がそれぞれ4万200円と1万2300円かかるので、約14万円になる計算です。

3.3 介護保険料

合計所得金額が125万円未満に該当するため、7万5500円です。

これらの税金と保険料をすべて合計すると、天引きされる金額は31万円を超えました。

額面が240万円でも、手取りは209万円前後になってしまいます。12ヵ月で割ると約17万円ですね※。

月額20万円もらえると思っていると、思わぬ天引きに衝撃を受けてしまいます。

※実際には2ヵ月に1度の振込です。また税金や保険料が決定するのは年度の途中なので、1年を通して同じ金額が天引きされるわけではありません。