【20~70歳代】一人暮らしの貯蓄と借金はいくら?
日本人の貯蓄事情を知るには、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(2021年)が参考になります。
金融広報中央委員会とは、都道府県金融広報委員会、政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等と協力して、中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行っている団体です。
早速同資料から、まずは一人暮らし世帯の貯蓄の平均と中央値を年齢別にみてみましょう。
【20~70歳代】単身世帯の年齢別金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯含む)
全体平均:1062万円・中央値:100万円
- 20歳代:179万円・20万円
- 30歳代:606万円・20万円
- 40歳代:818万円・92万円
- 50歳代:1067万円・130万円
- 60歳代:1860万円・460万円
- 70歳代:1786万円・800万円
年代があがるほどに、貯蓄が順調に増えていることがわかります。
60歳代が最も貯蓄が多いため、定年に向けて貯蓄を頑張る人が多いと言えます。定年を迎えると、貯蓄の取り崩しが始まるようですね。
平均は一部の富裕層の影響をうけるため、より実態に近い中央値を参考にすべきという意見もあります。
中央値に着目すると、平均値よりも大きく下がっていますね。ただし、年齢があがるほどに貯蓄があがる傾向はそのままです。
40歳代までは100万円以下で、50歳代で100万円を超え、最も多い70代では800万円ですね。
続いて負債の状況も確認しましょう。
【20~70歳代】単身世帯の年齢別借入金残高(借入金がある世帯)
- 20歳代:288万円・100万円
- 30歳代:1386万円・114万円
- 40歳代:553万円・110万円
- 50歳代:645万円・125万円
- 60歳代:287万円・100万円
- 70歳代:494万円・38万円
平均の負債額は30歳代で1000万円を超えますが、中央値は100万円前後で推移しています。ピークは50歳代のようですね。
「一生ひとりで生きる」と決めた場合、40歳~50歳でマンションなどを購入する方も一定数います。こうした背景から、負債のピークは少し遅い傾向にあります。