30~40歳代が入っておくべき保険2.医療保険

病気やケガで入院や手術をしたときに、医療保険に入っていれば給付金を受け取れます。医療保険は治療費の工面だけでなく、療養が長引いて仕事ができずに、収入が途絶えるリスクにも備えることができます。

30~40歳代で家族を養っている世代は、働けないことによる収入減は手痛いものがあります。

ただし、健康保険に加入している会社員は「傷病手当金」の支給を受けられます。

月給のおよそ3分の2の額を最長1年6カ月間受け取ることができます。

自営業者などの国民健康保険の加入者にはこの制度はないので、収入減などに備えるには別途「収入保障保険」などの加入を検討する必要があります。

医療保険には、大きく二つ「入院給付金」と「手術給付金」があります。入院給付金は、入院1回あたりの支払い限度日数と通算の支払い限度日数があります。

  • 支払い限度日数・・・60日型、120日型が多い
  • 通算支払い限度日数・・・入院を何度も繰り返した場合、給付金支払日数は通算され、限度日数が決められている。1000日程度が多い

厚生労働省の「令和2年患者調査の概況」によると、退院患者の平均在院日数は32.3日となっています。

この結果を見ると60日型で充分に思えますが、統合失調症やうつ病などの精神および行動の障害では294.2日と非常に長くなっています。何に備えるかによって選択が変わってくるでしょう。

最近の医療保険の特徴として「日帰り入院でも給付金が出るタイプや、健康祝金が出るタイプ、持病があっても加入できる保険、先進医療も対象とした保険」など、さまざまなニーズに対応した保険商品が登場しています。

また保険に加入する際の告知や、医師による診査が不要な「無選択型保険」もあります。このような保険は保険料が割高だったり、更新のたびに保険料がアップする特徴があります。

「医療保険」選びのポイント

まずは公的医療保険でどの程度保障されるのか想定しておきましょう。医療保険は公的保険では不足するときに加入すると考えれば無駄がありません。

「医療保険」選びのポイント1. 公的医療保険では不足する場合に備える

保険適用の治療であれば、原則3割負担で済みます。また、1カ月間の医療費が所得に応じて設定されている自己負担限度額を超えた場合に「高額療養費」として返ってくる制度があるため、医療費が高額になった場合でも対処できます。

ただし、いずれも保険が適用される場合であり、「保険適用外の治療や差額ベッド代、食事代、先進医療の技術料」などは全額自己負担となるので、このあたりも含めて備えるには民間の医療保険を検討しましょう。

ただ、これも貯蓄が充分にあれば、保険で備える必要はありません。「貯蓄の有無、公的医療保険の種類(傷病手当金が出るか)」なども勘案して医療保険の加入を考えましょう。

「医療保険」選びのポイント2. 保険期間を決める

保障される期間が定まっている「定期型」と保障が一生涯続く「終身型」があります。同じ保障内容であれば、定期型の方が終身型よりも保険料が安く設定してあります。

ただ、終身型は加入時から保険料が変わらないのに対して、定期型は保険期間が終了すると更新して保障を継続するタイプのものがあり、その場合は更新時の年齢で保険料が再計算されるため、終身型よりも高くなる場合もあります。

終身型のメリットとしては、年を取るほど入院するリスクは高くなるので、終身型を選んだ方が有効利用できます。定期型のメリットは子どもを養育している時期だけ保障を手厚くしたいなど、目的を持った保険のかけ方ができます。

保険は加入時の年齢が若いほど保険料は安く設定されるので、30歳代で加入する場合と40歳代で加入する場合とでは毎月の保険料に差が出ます。月々の保険料を安くするために、若いうちに入っておくという考え方もあります。

「医療保険」選びのポイント3. 特約でニーズに合わせる

30~40歳代は現役世代、子育て世代であるために、病気やケガで入院した際のダメージは大きいと思います。そこで保障を手厚くしたいと思っても、その人の特性によって、かかりやすい病気や不安になる要素は異なります。そうした場合に、特約でニーズを満たす方法があります。

特約は主契約に付加することで、保障内容を充実させることができます。たとえば、女性の場合は女性特有の病気のリスクに備える「女性疾病入院特約」、成人病が心配な人は「成人病(生活習慣病)入院特約」などがあります。