1. コンセプト型賃貸とは

コンセプト型賃貸は、特定の趣味・嗜好を持つ入居者をターゲットに定めて設計・建築された賃貸住宅のことをいいます。

これまでも「ペット相談可」のようにターゲットを定めた賃貸物件はありましたが、コンセプト型賃貸はこのような一般的な賃貸物件とは異なります。

読書が好きな人向け・楽器演奏が好きな人向けなど、ターゲット層を絞り込んだ上で「コンセプトが明確」という特徴があるのです。

したがって、狭い市場をターゲットとする分「刺さる人には刺さる(=感動・共感できる)」、特定の層からの満足度が高い物件だといえるでしょう。

1.1 コンセプト型賃貸が求められる理由

コンセプト型賃貸が求められる主な理由は、空室対策です。

不動産投資は入居者からの家賃が主な収入源であるため、空室を作らない・長引かせない工夫をする必要があります。

そのためには、ライバル物件と差別化できる物件独自の魅力を考えていかなければなりません。

少子高齢化により人口が減少傾向にある日本では、より一層入居者の獲得が難しくなっていく可能性があります。

コンセプト型賃貸にすることで、ライバル物件にはない大きな魅力を作り出すことが可能です。

ターゲットを絞り込むことから市場は狭くなってしまうものの、特定の層からは需要のある物件になります。

ターゲットとなる入居者から「他にはない理想の部屋」と満足してもらえれば、長期的な入居にもつながるでしょう。

コンセプト型賃貸は、特定のターゲット層が望む「こだわり」を具現化するため、一般的な賃貸物件よりも建築に費用がかかります。

そのため、他の賃貸住宅よりも家賃が割高に設定されるのが一般的です。

しかし、狭い市場の中でも入居者のニーズを確実に満たす物件であれば、「割高でも理想の部屋で暮らしたい」「同じ趣味・嗜好の人が集まる賃貸物件で暮らしたい」という人から選ばれやすくなることが考えられます。

コンセプト型賃貸に挑戦する場合は、エリアごとの特性も考慮してターゲット層を見誤らないことも重要なポイントとなります。

ターゲットとなる入居者像を明確にした上でコンセプトを考えることが大切です。