1. 今さら聞けない老後2000万円を振り返る
老後2000万円問題は、金融庁の審議会の報告書がきっかけとなりました。
そこで使われたデータは、高齢者夫婦の無職世帯の月平均の収支でした。
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実費(主に食費):26万3718円
- 毎月の赤字額:約5万5000円
老後に必要な金額=5万5000円×12ヶ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円
これを前提にすると、年金以外に老後資金として2000万円は必要だと言えるでしょう。しかし、ここには落とし穴があります。
- 介護費用は含まれていない
- 住居費用については、1万3656円で計算している
- 収入と支出は人それぞれである
上記の試算は、あくまで平均的な収入と支出を根拠にしています。また、現在、多くの高齢者がマイホームを所有していますが、将来的には賃貸暮らしの人もいるでしょう。
この場合、追加の家賃を費用に含める必要があります。
また、寿命が延びるとともに、長生きのリスクも見過ごせません。介護・医療費は将来的に上昇すると考えられます。
つまり、今の現役世代が老後を迎える頃には、2000万円では足りなくなる可能性が十分にあるのです。