日本の大型連休(GW)の最中も、フランス大統領選の第1回投票を契機にスタートしたリスクオン相場は継続し、ドル円は一時113円になりました。決選投票で無所属のマクロン氏の当選がほぼ決定したフランス大統領選を受けての今週の為替市場では、リスクオン相場が継続するかどうかに注目です。

先週の為替動向振り返り

先週の日本はGWの真っ最中。中には4月29日から9連休の方もおられたのではないでしょうか? しかし、為替市場は休むことなくオープン。何年かに1度、日本のGW中に金融市場に大きな変化が生じることがありますが、今年はそれほど動きませんでした。

そんな中、米連邦公開市場委員会(FOMC)、米雇用統計といった重要な指標発表が相次ぎました。いずれもサプライズのある内容ではありませんでしたが、FOMCでは6月の利上げがほぼ確定の状況になり、雇用統計は米国景気の堅調さを再認識させる内容となりました。

為替市場はドル円が4日に一時113円台に乗せるものの、その後失速。また、日本人には馴染みはあっても世界的にはマイナー通貨ペアと言えるユーロ円が大きく上昇。日足では連日陽線を付け、2016年12月に付けた123円台半ばの高値に到達しました。

金・原油・ドルインデックスの動向

北朝鮮問題に目立った動きがなく、地政学リスクが小康状態となり市場はリスクオンが継続している中、金・原油・ドルインデックスが揃って下落しています。

特に原油(WTI)は、週初の48ドル台後半から5日には43ドル台後半へ約5ドルの大きな下落を見せました。なお、その後リバウンドし46ドル台半ばで週の取引を終えています。

また、ドルインデックスは若干の値下がりながら、これまで耐えた98ドル後半のサポート&レジスタンスを割れて安値を更新。ダウ理論の観点からは下落トレンド継続が確定しています。

先述のように為替市場はそれほど重要な値動きはありませんでしたが、先週は為替市場に影響を与える商品市場およびドルインデックスが動いた週となりました。

今週の為替動向見通し

7日に行われたフランス大統領選挙の決選投票は、事前の予想通り無所属のマクロン氏の勝利が8日朝時点で報じられています。先月23日の第1回投票の際は、マクロン氏勝利を契機に金融市場は一気にリスクオンに傾いた経緯がありますが、再度同様の流れが生じるのでしょうか。

米雇用統計で強い数字が出た中、ドルインデックスが下落し安値を更新しましたが、ドル円は3週連続で週足は陽線となっており、ドル円は逆相関的に上昇を継続しています。4日に113円台を付けた後に下落しましたが、8日は113.7~8円でスタートしており、113円台の回復と維持が続くかどうかが注目点となります。

また、ユーロ円がフランス大統領選の第1回投票後に連日の上昇となり、約5円の大きな上昇を見せています。124円付近に2016年秋に形成されたサポート&レジスタンスが存在していますが、ユーロ円が124円を超えてさらに上昇を続けるかどうかも注目点と言えます。

まとめ

日本のGW中に行われたFOMCの結果、6月の利上げがほぼ決定という状況になっています。今後は6月のFOMCの利上げを織り込むような値動きが予想され、また金利引き上げとともにテーパリングも話題に上ることが増えると予想されます。

フランス大統領選挙の決選投票結果が明らかとなった今週もリスクオン相場が継続するのかという点を中心に為替市場を見ていきたいと思います。

LIMO編集部