年々増える「おひとりさま」が早めに備えておきたいのは、やはり「老後の生活」ではないでしょうか。
特に、自分自身に介護が必要となった時にどのくらいの介護費用が必要なのか、また施設に入居するとしたらいくらかかるのかなど、お金のことは早めに知って備えておきたいですよね。
そこで、今回は将来必要な介護費用と介護施設の費用について確認していきましょう。
介護費用の平均は「月額8万円」総額580万円が必要
2021年度の生命保険文化センターの調査によると、月々の介護費用の平均は8万3000円、介護が必要な期間の平均は5年程度という結果が出ています。
加えて、介護生活に必要な介護ベッドの購入費や、手すりの設置、段差の解消など住宅改修にかかる一時的な費用として、平均74万円の負担が必要となります。
これらの介護費用を合計すると、将来的に必要な介護費用の総額は約580万円という金額になります。
なお、この調査は過去3年間に介護経験がある人に調査しており、現在も介護を行っている人も含まれています。そのため、実際の介護期間はさらに長期間となることを考慮して費用を準備しておく必要があるでしょう。
介護施設の入居に必要な費用。初期費用と月額費用はいくら?
頼れる家族と同居していない「おひとりさま」。一人暮らしの中に困難なことが増えて不安を感じるようになると、介護施設へ入居して安心して暮らしたいと考えるのではないでしょうか。
介護施設へ入居すると24時間体制で介護を受けられることや、もしものときにすぐに対応してもらえるなど安心感が得られるでしょう。
そんな介護施設の入居に必要な費用は、おもに「初期費用」と「月額費用」の2つです。
【介護施設への入居】初期費用
介護施設の中には、入居する際の初期費用として「入居一時金」または「保証金」を支払うところがあります。
入居一時金とは、介護施設を利用する権利を得るために支払う費用のこと。また、保証金とはマンションやアパートなどを借りる際の「敷金」に相当する費用のことです。
どちらも国によって金額の具体的な基準が定められていないため、その金額は施設によって異なります。
【介護施設への入居】月額費用
月額費用とは、毎月施設に支払うお金のこと。月額費用の内訳は次の通りです。
施設介護サービス費
- 食事や入浴、排泄の介助など施設で受けるサービスに対して支払う料金。介護保険が適用されるため、自己負担は1割(所得によって2〜3割)を負担します。
居住費
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居室の利用料金(家賃)のこと。個室や多床室など住環境の違いによって金額が変わります。
食費
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施設の種類によって、1日分を定額料金で請求するところもあれば、1食ごとに請求する施設もあります。
日常生活費
- 日常生活費とは、歯ブラシやシャンプーなどの日用品や、おやつ、レクリエーションにかかる費用など個人で使用する物品にかかる費用のこと。
おむつ代については、入居する施設の種類によって保険給付に含まれている場合や自己負担となる場合があります。
介護施設の種類によって異なる費用。公的施設と民間施設では
介護施設は、種類によって支払う費用に大きな違いがあります。
では、それぞれの施設の特徴と費用の違いについて見ていきましょう。介護施設の種類は運営主体によって「公的施設」と「民間施設」の2つに分けられます。
介護施設の種類1. 公的施設
公的施設とは、国や地方公共団体、社会福祉法人などが運営している介護施設のこと。営利目的ではない施設のため、費用が抑えられているという特徴があります。
たとえば、月額費用の居住費や食費は国が定めた「基準費用額」の範囲内とされていることや、初期費用が支払い不要な場合もあります。
公的施設は経済的負担が少ないことから人気が高く、入居するまでの待機期間が数ヶ月〜数年など長期となるケースも珍しくありません。
代表的な公的施設には「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「ケアハウス」「介護医療院」などがあります。
参考までに、厚生労働省の資料より、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1カ月の自己負担の目安を確認しましょう。
上記によると、「要介護5の人が多床室を利用した場合」は以下の通り。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1カ月の自己負担の目安
- 施設サービス費の1割:約2万5000円
- 居住費:約2万5000円(840円/日)
- 食費:約4万2000円(1380円/日)
- 日常生活費:約1万円(施設により設定されます)
合計10万2200円
多床室の場合は約10万円でした。しかしユニット型個室を利用した場合には特に居住費が上がり、13万9500円となります。実際には介護度や所得、部屋のタイプによってもかかる金額は大きく異なります。
介護施設の種類2. 民間施設
民間施設は、民間企業が運営する介護施設のことです。
民間施設には「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」などがあります。数多く存在するため、入居しやすく利用者のニーズに合わせて選ぶことができます。
民間施設はサービスが充実している分、初期費用や月額費用を高めに設定しているところもあります。
たとえば、高級ホテルのような豪華な施設や、24時間体制で介護・看護スタッフが常駐している施設などは高額になる場合があります。
公的施設も民間施設も、施設や部屋のタイプ、介護度等によって金額にはだいぶ差があります。
まとめにかえて
将来必要な介護費用と介護施設の費用について解説しました。
介護施設の費用は、入居する介護施設の種類やサービスの内容によって支払う金額に大きな差があることがわかりました。
介護を受ける期間は、数年〜十数年に及ぶ可能性があります。介護費用が足りずに十分な介護を受けられないことがないように、介護費用についても視点をあてて、おひとりさまの老後の生活の準備を進めておくと良いでしょう。



