介護施設の種類によって異なる費用。公的施設と民間施設では

介護施設は、種類によって支払う費用に大きな違いがあります。

では、それぞれの施設の特徴と費用の違いについて見ていきましょう。介護施設の種類は運営主体によって「公的施設」と「民間施設」の2つに分けられます。

介護施設の種類1. 公的施設

公的施設とは、国や地方公共団体、社会福祉法人などが運営している介護施設のこと。営利目的ではない施設のため、費用が抑えられているという特徴があります。

たとえば、月額費用の居住費や食費は国が定めた「基準費用額」の範囲内とされていることや、初期費用が支払い不要な場合もあります。

公的施設は経済的負担が少ないことから人気が高く、入居するまでの待機期間が数ヶ月〜数年など長期となるケースも珍しくありません。

代表的な公的施設には「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「ケアハウス」「介護医療院」などがあります。

参考までに、厚生労働省の資料より、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1カ月の自己負担の目安を確認しましょう。

出典:厚生労働省「サービスにかかる利用料」

上記によると、「要介護5の人が多床室を利用した場合」は以下の通り。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1カ月の自己負担の目安

  • 施設サービス費の1割:約2万5000円
  • 居住費:約2万5000円(840円/日)
  • 食費:約4万2000円(1380円/日)
  • 日常生活費:約1万円(施設により設定されます)

合計10万2200円

多床室の場合は約10万円でした。しかしユニット型個室を利用した場合には特に居住費が上がり、13万9500円となります。実際には介護度や所得、部屋のタイプによってもかかる金額は大きく異なります。

介護施設の種類2. 民間施設

民間施設は、民間企業が運営する介護施設のことです。

民間施設には「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」などがあります。数多く存在するため、入居しやすく利用者のニーズに合わせて選ぶことができます。

民間施設はサービスが充実している分、初期費用や月額費用を高めに設定しているところもあります。

たとえば、高級ホテルのような豪華な施設や、24時間体制で介護・看護スタッフが常駐している施設などは高額になる場合があります。

公的施設も民間施設も、施設や部屋のタイプ、介護度等によって金額にはだいぶ差があります。