著名投資家ジム・ロジャーズ氏の「次の大暴落で最もひどい影響を受けるのは日本だ」との発言が先日話題になりました。日本の少子高齢化、円安、物価上昇の悪循環を懸念した内容です。
FIREという言葉が既に知れ渡りましたが、この日本の危機的状況を個人としてもできるだけ防いでいくためにも、今後ますます資産運用が重要となってくるでしょう。
FIREにおける経済的自立では、資産運用が前提となっています。若いうちに働いて資産を築き、その資産をもとに、配当、運用益、家賃などで生活できる目途が立った段階でリタイアするのです。
今回は、今の60歳以上の方々で財産からの収入となる「不労所得」がある人はどれくらいの割合がいて、FIREできているのか、内閣府の調査をもとに見ていきたいと思います。
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1. 投資FIREの定義と60歳以上で不労所得がある人の割合
不労所得とは、働かないで得る所得のことで、預貯金の利息、株の配当、土地や住宅の賃貸料などです。対して、働いて得る所得は「勤労所得」です。
内閣府の「令和元年(2019年)度高齢者の経済生活に関する調査結果」をもとに、高齢者の収入の種類をみていきましょう。
- 公的年金、恩給:87.3%
- 仕事による収入:41.0%
- 企業年金、個人年金等:16.5%
- 財産からの収入(利子、配当金、家賃、地代等):8.4%
- 子などからの仕送り・援助:2.2%
- 公的年金、恩給以外の社会保障給付金(生活保護等):1.1%
- その他:0.7%
- 収入はない:0.9%
- 不明・無回答:0.1%
「財産からの収入」(利子、配当金、家賃、地代等)などの不労所得がある割合は8.4%でした。
回答者全体の1割以下となり、多くないことが分かりました。