株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年4月21日から4月27日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-リスクオン姿勢が強まる相場展開となった1週間

今週は、銀行株、非鉄金属、精密機器を筆頭に、33業種全てが上昇。

仏大統領選挙の第1回投票の結果がマクロン氏1位、ルペン氏が2位と市場予想通りとなったことを受け、マーケット全体に買い安心感が広がり、金融株や市況関連株に上昇率の高いものが目立った。

特に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などの銀行株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)などの非鉄金属株が値を上げた。また、これまで値動きの乏しかった精密機器株にも買いが入り、HOYA(7741)、テルモ(4543)、ニコン(7731)なども上昇した。

一方、相対的に上昇率が乏しかったのは、電気・ガス業、情報・通信業、医薬品など。いわゆるディフェンシブセクターに買いを見送られる銘柄が散見された。

今後のマーケット見通しの注目点

今週はリスクオン姿勢が強まり、銀行株や非鉄金属株を中心に買いが入るマーケットであった。ただし、シリア、北朝鮮情勢の地政学的リスクが引き続き高いことや、5月7日には仏大統領選挙の第2回投票が行なわる予定であり、ゴールデンウィークを挟んで様子見姿勢は強まりそうだ。

5月は、3月決算発表の山場を迎える中、外国為替市場の動向と2018年3月期業績予想を見極めながら、個別銘柄を丹念に探る相場展開となりそうだ。

岡野 辰太郎