地域でお盆の時期が異なる理由
明治政府の方針により改暦が行われたため、本来であれば全国的に「月遅れ盆」が取り入れられているはずです。
これには諸説あり、地域によって農作物の収穫時期が異なるため、新盆などを取り入れた地域があるからとも言われています。
あくまで国の基準では8月13日〜16日がお盆ですが、地域の事情などの影響で少しずつ変化していったようです。
お盆の変わった風習を2つ紹介
お盆は各地でさまざまな行事が実施されますが、地域によっては独特の風習でお盆の時期を過ごします。
今回は沖縄と茨城の2県を取り上げてみたいと思います。
【沖縄】賑やかな踊りと歌で祖先を供養する「アンガマ」
アンガマは、八重山地方を中心に伝わる供養行事の1つです。
アンガマには2つの系統があり、1つは八重山の治者階級・石垣島四ヶ字の士族で行われていたもの、もう1つはその他離島・農村・部族で行われていたものです。
石垣島四ヶ字のアンガマは、あの世からの使者であるウシュマイ(翁)とンミ(媼)、その子孫であるファーマー(花子)を、この世の人間が総出でお出迎えします。
あの世からの使者である3人は、島の家々を順番に回りながら三線・笛・太鼓を叩いて踊ります。
合間にはウシュマイとンミが、揃ってあの世についてユーモラスに語る一幕も。
なかでも観衆からヤジ混じりの問いかけをされたウシュマイとンミが、頓知や笑いを交えた返答を返す問答が見どころです。
【茨城】稲わらの束を担いで祖先を送る「盆綱」
盆綱は、茨城県と千葉県にまたがる盆行事の1つです。
大人たちが稲わらの束を使って太い縄を作り、白装束に身を包んだ子どもたちがそれを持って墓所から出発します。
それからは家々を巡り、神霊を送り届けるのが盆綱の内容です。
茨城県教育委員会のホームページによると、子どもたちが持つ縄は先祖の霊の依代として龍や蛇に見立てているらしく、水神信仰的な性格も持つそうです。