問題を抱えた子どものサポート体制構築が急務
報告書では学力や健康診断で問題点の多い児童生徒を把握し、自治体と協力して家庭支援を実施する取り組みが紹介されています。
とくに子どもの貧困問題はネグレクトや虐待のような社会問題と直結し、子どもだけでなく親子を対象としたサポート体制の構築が急務になっています。
現在はごくわずかの自治体が学校と連携して子供の成長の見守りに取り組んでいますが、やはり全国に広がりを見せるには国の支援が欠かせません。
単に公教育の支出を増やすのではなく、子どもの状況を確認しやすい学校の教職員や学校での健康診断のデータを活用するシステムに投資すれば、問題が深刻化するのを未然に防ぐこともできます。
子どもの学力や健康状態は「親ガチャ」というより、弱い立場をそのまま放置してきた現行の公システムにも問題があります。
教育格差が拡大する中で、「子どもが健全に成長するかどうか」という基本的な部分までを家庭任せで語るのは無理があります。
問題を抱えている家庭の子ども達の受け皿として注目を集めているフードバンクや子ども食堂も、NPOがメインで動いていることが多いです。
子どもの貧困は教育機会の喪失や学力不振に繋がり、大人になっても不安定な職業にしか就けないなどの長期的な問題も懸念されます。
コロナ禍を契機に、経済状況が苦しい家庭も増加しています。議論を繰り返すのではなく、早急なサポート体制を構築することが必要です。