国民健康保険料は安くできるのか

国民健康保険では会社員のように会社折半ではないので、保険料を高く感じる方も多いです。

また給与天引きの社会保険料とは違い、国民健康保険料は自分で納めるため高く感じてしまうものです。

2022年の改定で影響があった人も含め、負担に感じる方が保険料を安くする方法はあるのでしょうか。

国民健康保険料は適切かつ客観的に算出されるため、裏技のような方法はありません。しかし「利用できる制度があるのに知らない」となれば、損している可能性もあります。

見逃している制度がないかどうか、一度確認してみましょう。

世帯合併を検討する

平等割は世帯ごとにかかるので、二世帯住宅で生計を一にしているにも関わらず世帯を分けている方は、合併を検討してみましょう。

ただし「国民健康保険を安くするため」という理由だけで実態に即わない申請はできません。

世帯の構成は税金等にも影響するので、「実態通りで申告した場合にメリットがあるか」という視点で検討してください。

国民健康保険組合に加入する

自営業者は基本的に国民健康保険の加入になりますが、業種によっては国民健康保険組合に加入できる可能性があります。

国民健康保険組合は収入に関係なく定額の負担で済むため、保険料が安く済む可能性があります。

一般社団法人「全国国民健康保険組合協会」のサイトから、あてはまる業種がないか確認してみましょう。

国民健康保険料が安い市区町村へ引っ越しする

市町村によって保険料に差があるので、料率が安い地域に引っ越しすることも有効な手段です。

厚生労働省が平成29年に調査した「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」によると、国民健康保険料が安い地域は埼玉県・神奈川県・愛知県・東京都・茨城県。

反対に保険料が高い地域は徳島県・佐賀県・山形県・大分県・熊本県です。

県境などで居住地を選べる方などは、参考にしてみましょう。

国民健康保険料の減免制度を利用する

新型コロナウイルス感染症の影響により、主な生計維持者の事業収入・給与収入等が一定程度減少した場合、国民健康保険料の減免が認められるケースがあります。

また会社都合で退職した場合は、国民健康保険料の軽減制度があります。国民健康保険の資格取得時に確認されているはずですが、申請制である以上漏れている可能性もあります。念のため確認しておきましょう。

住民税申告をする

法令により定められた所得基準を下回る世帯については、被保険者応益割(均等割・平等割)額の7割、5割又は2割を減額する制度があります。

出所:厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」

しかし、住民税の申告がなければ適用されません。もし所得がゼロ円なのであれば、その旨をしっかり申告しましょう。