2. 一棟アパート購入前に見極めたい外階段のポイント

ここでは、一棟アパートを購入する前に見極めたい外階段のポイントについて解説します。

これから一棟アパートの購入を検討している人は、外階段の現状も確認してみてください。

2.1 不適切な木材の使われ方がされていないか

先ほどもご紹介した八王子市で事故のあったアパートの外階段は本来鉄骨を使うべきところに木材を使用する工事が行われていました。

外階段は、雨などの影響を受けやすい「屋外」にある階段です。有効な防腐処理を行わなければ、カビが生えることなどにより劣化し、耐久性に問題が出てしまう可能性があるでしょう。

不審に感じる点があれば、そもそもの仕様や施工に問題がないか、当時の施工会社に確認してもらうことをおすすめします。

2.2 適切な部材で固定されているか

外階段が適切な部材で固定されているかどうかも、重要なチェックポイントの1つです。

階段の固定に不適切な部材が使われていたり、正しく固定されていない場合、時間の経過とともに階段が不安定になっていってしまう可能性が考えられます。さらに状態が悪化すれば、階段が崩れ落ちてしまう可能性もあるでしょう。

また、外階段の手すりも正しく固定されているか確認しておきましょう。手すりにぐらつきがあると、転倒などの事故につながってしまう危険性が高まります。

一棟アパートに外階段がある場合は、外階段や手すりが正しく固定されているかという視点からも確認してみてください。

2.3 段差や傾きに注意する

階段の段差も注目すべきポイントの1つ。階段の段差がまちまちであったり、極端な段差があったりする場合、つまずいて転倒してしまうリスクが高まります。

階段での転倒から、大きな事故につながってしまう可能性も考えられるでしょう。

また、階段自体の傾きも確認しておくことも大切です。傾きを調べられる「水平器」は、ホームセンターなどで入手することができます。ぜひ活用してみてください。

2.4 階段の錆び

階段を固定している部材や段差のつなぎ目などの錆びの状況も確認しておきましょう。錆びが進行すると、穴が開いてしまい改修工事が必要になる可能性も考えられます。

また、階段を固定している箇所の近くの壁にひび割れがないか、外階段の塗装が剥がれていないかも確認しておきたいポイントの1つ。錆びと一緒に確認しておきましょう。

2.5 過去の修繕歴などを確認する

現在の管理会社などに、過去の修繕歴や事故歴、現在の状況などを確認することもおすすめです。今までまったくメンテナンスを行っていなかった場合は、購入後に修繕が必要になる可能性も考えられます。

また、管理会社に改めて現状を確認してもらうことで、不具合が見つかることもあるでしょう。

過去の修繕履歴や現状を踏まえた上で、購入の判断をすることが大切です。