2. 老後を心配する60代は70.1%に

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、老後の生活について心配であると答えた人は70.1%にのぼりました。

心配する理由の1位は「年金や保険が十分ではないから」の61.5%、2位が「十分な金融資産がないから」の60.6%です。

年金や保険が十分でないと答えた割合はどの年代よりも高く、実際に受給する金額を目の当たりにして、不安が増幅されたことが考えられます。

老後の生活にはそこまでお金がかからないと考える方もいます。しかし、それはあくまでも健康であってこそでしょう。病気や介護状態になったときは、若い時とは比べ物にならないほどの費用がかかります。

さらに、その負担割合は近年上昇の動きも見られます。今後2割3割負担となれば、老後の生活に重くのしかかることでしょう。

生命保険文化センターによると、月々の介護費用は平均8万3000円、介護期間は平均5年1ヵ月です。さらに一時金として平均74万円かかっていますが、こうした費用を老後資金として準備できている方は少数派ではないでしょうか。

出所:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度

介護の費用は、あくまでも平均額です。調査対象の方の合計を単純に調査人数で割った金額であるため、「介護には必ずこの金額がかかる」というわけではありません。

自宅介護か施設入居か、どんな介護を望むかにもよって費用は大きく変わるでしょう。

ただし、介護費用がかかるという点は認識しておく必要があります。「なんとかなるだろう」と楽観するには、リスクが高い時代となっているのです。