4. 年金を増やす「繰り下げ受給」以外で老後資産を増やすには

今回は年金について解説してきました。老後の資金を増やすためにできることはあるでしょうか。

ひとつは、夫婦の場合は「共働き」を検討してみること。夫婦ともに会社員の場合、あくまで平均ですが27万円程度の年金支給が見込まれます。

また、2016年10月より、従業員500人以上の企業では、一定の要件を満たせば、パートタイマーでも厚生年金に加入できるようになりました。

2017年4月からは、労使合意に基づく申し出を行う従業員500人未満の企業、2022年に100人以上、2024年に50人以上の企業も、一定の要件を満たせば加入できるようになっています。

また、老後に対する考え方を変えることも重要です。

同時に、貯蓄だけでなく、他の方法で老後に備えることも重要です。例えば、保険や投資信託による資産運用が必要な場合があります。

しかし、投資というと、「よくわからない」「リスクが怖い」という印象があるかもしれません。

投資を始める人が増えている今、そんな人に向いているのが、「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。

少額から投資を始められ、税制上の優遇措置もあるため、最初の一歩を踏み出しやすくなっています。まずはこうした制度を調べてみてはいかがでしょうか。

参考資料

日本年金機構「年金の繰下げ受給」
厚生労働省「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(2022年3月24日)
日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(2022年2月15日)

齊藤 慧