人生100年時代を迎える今、働く高齢者はますます増えていくことが予想されます。

厚生労働省の「就労条件総合調査」(平成29年)によると、定年制のある企業のうち、一律に定年制を定めている企業は97.8%で、そのうち定年を60歳とする企業が79.3%、65歳とする企業が16.4%となっています。

まだまだ現役として働く方も多い60歳代ですが、その収入事情はどのような特徴があるのでしょうか。今回は60代にフォーカスして、高齢者の働き方や生活について見ていきます。

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1. 60歳代で働く人は何割か

60歳代のうち、働いている人は何割くらいいるのでしょうか。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の「60代の雇用・生活調査」を参考にみていきます。

出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199 60代の雇用・生活調査」

60歳代のうち「収入を伴う仕事をしていた人」は59.0%であることから、過半数の人が就業している事実がわかりました。

年齢層別にみると、60〜64歳層が70.2%、65〜69歳層は50.1%です。定年退職の年齢による影響も大きいといえるでしょう。

さらに男女別に確認すると、男性が69.1%、女性が49.3%でした。

2014年調査の調査に比べ、60~64歳は8ポイント程度上昇し、男女別では男女ともに4ポイント程度上昇しています。今後も増えることが予想されるでしょう。

ちなみに、平均勤務日数(6月中)は18.8日、1日当たりの平均労働時間は6.9時間でした。