日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方は、国民年金の被保険者(加入者)となります。さらに会社員や公務員などは、国民年金の上乗せとして厚生年金に加入します。

年金手帳とは、こうした公的年金の加入者に交付される青やオレンジの手帳のことです。

普段は意識することのない年金手帳ですが、就職や転職のタイミングで「ない!」と気づくことも多く、紛失の相談は後をたちません。

実は2022年4月から、紛失時の対応が大きく変わりました。最新の制度にもとづき、年金手帳を紛失した際の対処法を解説します。

年金手帳は何のために必要なのか

日本年金機構では一人ひとりの年金加入について「基礎年金番号」で管理しており、こうした基礎年金番号を記載した書類として年金手帳が交付されていました。

身分証として使用することも可能なため、その保管は厳重に行われる必要があります。ちなみに年金手帳には3つの色があり、年金制度への加入時期によって異なります。

茶色

昭和35年10月から昭和49年10月に公的年金制度に加入した人

オレンジ色

2/4

昭和49年11月から平成8年12月までに公的年金制度に加入した人

青色

3/4

平成9年1月から令和4年3月に公的年金制度に加入した人

※画像はすべて日本年金機構「基礎年金番号・年金手帳について」より

ただし、共済組合に加入し、かつ共済組合以外の加入履歴がない方については、基礎年金番号通知書が発行されます。

年金手帳を紛失したかも?

もし年金手帳を紛失したことに気づいた場合、まずは職場に聞いてみるのがいいでしょう。というのも、会社によっては「就職時に年金手帳を預かる」というところがあるからです。

就職に伴い、会社は従業員の厚生年金の加入手続きを行います。このとき年金手帳そのものを提出させ、退職まで保管するという会社があります。

もし手元にないことに気づいたときは、会社で保管されていないか聞いてみましょう。

年金手帳を紛失しても原則再発行しない

「年金手帳を紛失した場合、再発行してもらえるのか?」と疑問に思う方もいますが、結論からいうと再発行は原則されません。

以前は個人番号または基礎年金番号を記載した申請書を提出し、基礎年金番号通知書の再交付を申請することが可能でした。

個人だけでなく、手続きを行う事業所が申請することもあったのです。

しかし、2022年(令和4年)4月1日に年金手帳が廃止となりました。これを受け、年金手帳を紛失しても再発行はされず、代わりに「基礎年金番号通知書」が交付されます。

基礎年金番号通知書の交付手続き

年金手帳を紛失した場合、現在では手帳の再発行がされず、基礎年金番号通知書の交付手続きが必要になります。

手続きの流れを解説します。

交付申請書

まずは基礎年金番号通知書再交付申請書を入手し、必要事項を記入します。

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出所:日本年金機構「基礎年金番号通知書再交付申請書(記入例)」

添付書類

事業主を経由せずに自分で提出する場合で、かつマイナンバーを記載して提出する場合は次の書類が必要です。

マイナンバーカード(または下記の①および②)

①マイナンバーが確認できる書類:個人番号の表示がある住民票の写し、通知カード(氏名、住所等が住民票の記載と一致する場合に限る)
②身元(実存)確認書類:運転免許証、パスポート、在留カードなど

※郵送で届書を提出する場合は、マイナンバーカード表裏両面または①および②のコピーを添付する
※上記以外の②身元(実存)確認書類については、お近くの年金事務所に問い合わせる

提出先

  • 国民年金第1号被保険者または任意加入被保険者:お近くの年金事務所(郵送の場合は事務センター)または住所地の市区町村役場
  • 厚生年金保険または船員保険の被保険者:勤務する事業所を経由、もしくは直接、事業所の所在地を管轄する年金事務所(郵送の場合は事務センター)
  • 国民年金第3号被保険者:配偶者の勤務する事業所の所在地を管轄する年金事務所(郵送の場合は事務センター)
  • 厚生年金保険の第四種被保険者:お近くの年金事務所(郵送の場合は事務センター)
  • 最後に加入した年金制度が国民年金で、第1号被保険者または任意加入被保険者であった場合:お近くの年金事務所(郵送の場合は事務センター)
  • 最後に加入した年金制度が厚生年金保険または船員保険であった場合:お近くの年金事務所(郵送の場合は事務センター)
  • 最後に加入した年金制度が国民年金であり、第3号被保険者であった場合:お近くの年金事務所(郵送の場合は事務センター)

提出方法

  • 電子申請
  • 郵送
  • 窓口持参

まとめにかえて

年金手帳は普段意識することがない分、紛失時には慌ててしまうものです。

以前は所定の続きを踏むことで再発行が可能でしたが、2022年4月に年金手帳自体が廃止されたことに伴い、今は原則再発行されません。

必要な場合は「基礎年金番号通知書」を交付してもらえるので、手続きを行いましょう。

また年金に触れたこの機会に、自分自身が受け取れる年金について一度考えてみてはいかがでしょうか。厚生労働省年金局の「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均受給額は約5万6000円、厚生年金の平均受給額は約14万4000円です。

加入期間や現役時代の報酬によっても変わるので、「ねんきんネット」などで個別にシミュレーションしてみるといいでしょう。

身近なようであまり知らない年金について、この機会に調べてみてはいかがでしょうか。

参考資料