3. ほとんどの世帯に「老後対策」が必要

先ほど見ていただいた老後費用が必要となると、60代で貯蓄が2000万円以上ある3割の世帯でも、十分な老後準備が出来ていないということになります。

では、現役世代の私たちが、安心して老後を迎えるためには、どのような準備をしていけばよいのでしょうか。

そのひとつとして、ぜひ検討して頂きたいのが、預貯金だけではなく「資産運用」に視野をひろげることです。

もちろん、コツコツ預貯金を増やすことも大切ですが、超低金利が続くいま、銀行などにお金を漠然と預けていても、ほとんど利息はつきません。

仮にわずかな利息がついたとしても、例えばATMの時間外手数料1回分で、一瞬に消えてしまう程度の金額だったりするわけです。

そんな今こそ、「資産運用」でお金を増やす発想を持つ好機であるといってよいでしょう。

少額から、コツコツ積み立て投資をしていきたい場合には、「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」などが活用しやすい制度であるといえそうです。

また、資産運用のスタートを検討される際、ぜひ知っておいていただきたいのが「複利」という考え方です。

複利とは、投資から得られた利益を手元に受取らず、再度投資に回すことで、資産を雪だるま式に増やしていく方法です。「利子が利子を生む」などと表現されることもありますね。

老後資金の準備は、ぜひこの複利のメリットを最大限に活用しながら進めていかれることをお勧めします。