4. 貯蓄の努力がつくる「老後の安心感」
70歳以上世帯の貯蓄事情について眺めてきました。
前述の統計をみると、70歳以上世帯の平均貯蓄額は2259万円ですが、その分布からは平均値だけでは見えない「老老格差」とも呼ばれる二極化をみてとることもできます。
年金の受給額や退職金額などは人それぞれです。また、年を重ねると、家族構成や健康状態などの事情を受けて、日頃の生活に必要となるお金は変わってくるでしょう。
現役世代のみなさんの貯蓄ペースも、当然、世帯によって差があります。とはいえ、老後を過ごすいまのシニア世代が、どのくらい貯蓄をキープしているかを知ることは、マネープランを立てる上で何らかの参考になりそうです。
「お金にまつわる悩みごと」は、世代により、また世帯によっても変わります。若いころからコツコツ続けた家計管理や貯蓄の成果は、年を重ねたときに「安心感」としてあわられ、私たちの暮らしを支えてくれるものとなるでしょう。
「人生100年時代」を見据えたお金の計画は、若いうちから意識しておきたいものですね。ときには「お金のプロ」のアドバイスも参考にしながら、ゆっくり・コツコツと資産づくりを進めていかれることをおすすめします。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。