(1)夫婦で家計について話し合う

共働き夫婦の中には、共有の口座に毎月それぞれ一定金額を入金して生活費に充てているケースもあると思います。この場合、お互いの収入のうち共同口座に入れない分を、それぞれが自由に使ったり貯金に回したりしているようです。しかしお互い自由に使う部分があるためか、相手のお金の使い方に口を挟みにくいというケースもあり、大きな支出が発生したときに慌てることになります。

また、今は夫婦共働きで余裕があっても、仕事の契約期間が終了したり、配偶者の転勤がきっかけで仕事をやめざるを得なくなるなど、収入が減る可能性も考えられます。生活水準もすぐに下げることは難しいでしょう。収入が減るというリスクも想定して、ボーナスの時期など定期的に家計の見直しや貯金額の目標を確認していきたいですね。

(2)共働きでなかなか貯められないときは…

貯金が難しい場合は、まずは給与からの天引きで先取り貯金を検討してみましょう。給与天引きや増額が難しければ、口座からの自動振り替えで積立定期を利用してみてはいかがでしょうか。先取り貯金であれば、着実に一定額を確保できます。

ここで、全世帯(二人以上の世帯)平均の貯蓄残高の推移を見てみましょう。2019年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,755万円で、前年比3万円(0.2%)の増加となり、3年ぶりの増加となっています。このうち勤労者世帯を抽出してみると、平均値は1,376万円で、前年比56万円(4.2%)の増加となっています。

また、二人以上の世帯について貯蓄保有世帯の中央値は1,033万円でした。中央値はデータを順に並べた時に中央にくる数値です。1,000万円超の貯蓄を有している世帯が多いことが分かります。ちなみに勤労者世帯のうち貯蓄保有世帯の中央値は801万円と1,000万円を下回っています。

共働きだから支出が多くても仕方ない、という面もある一方で、共働きだからこそ貯めている世帯もいます。お金の管理は難しい、時間もないという場合でも、夫婦で話し合ったうえで貯めやすい仕組みづくりをしていきたいですね。