4. 70歳代の単独世帯はどれくらいいるのか
70代の暮らしを考える際、お金と仕事にあわせて考えたいのが「家族」についてです。
内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」では、年代別の単独世帯数が公表されています。
それによると70~79歳男性の単独世帯数は、1980年には9万8000世帯でしたが、2020年には106万9000世帯に増加。
70~79歳女性の場合、1980年には34万世帯でしたが、2020年には182万3000世帯に増えています。
単独世帯数の内訳を見ると、70代に入ると男女ともに「死別」が増え、特に女性は「死別」の割合が最も多くなっています。
家族のかたちは、常に変わりゆくもの。
「成人、結婚、出産、子どもの独立」と家族のかたちや人数は常々変わるものですが、年を重ねることでひとりになる方も増えます。
考えたくないことではありますが、特に女性はひとりになったときの生活費についても、前もって備える必要性が高いでしょう。
5. 「70歳代の暮らし」に向けた備えを
70代の年金や貯蓄、就業率などを確認してきました。
セカンドライフに入り生活費を抑えることができたとしても、持病を抱えれば医療費や交通費、食費などが増える可能性もあります。
老後のお金については、生活費だけでなく病気や介護など「万が一の備え」もしておきたいところですね。
また、いつか自分が「ひとり」になった時の暮らしも想定しておきたいものです。
今回は平均的なデータをご紹介しましたが、年金額や貯蓄は個人差が大きいものです。まずはねんきんネットやねんきん定期便などで、ご自身の年金額を調べることが老後準備の第一歩でしょう。
年金の受給予定額がわかれば、足りない部分を補う対策が必要です。貯蓄の一部に運用を取り入れる、私的年金をはじめる、仕事を長く続ける、不労所得を作るなど方法はさまざま。
早いうちからそれぞれのメリット・デメリットやリスクを把握して、ご自身に合った方法で備えていきましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」
- 内閣府「男女共同参画白書 令和4年版 特集編 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 厚生労働省「令和3年版高齢社会白書」第2節 高齢期の暮らしの動向 1 就業・所得
宮野 茉莉子