宝塚記念迫る!雑所得の場合の外れ馬券の扱いについて
同じ最高裁判所の判決では外れ馬券については、以下のような内容としています。
所得税法は、雑所得に係る総収入金額から控除される必要経費について、雑所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額等とする旨を定めているところ、本件においては、上記のとおり、被上告人は、偶然性の影響を減殺するために長期間にわたって多数の馬券を頻繁に購入することにより、年間を通じての収支で利益が得られるように継続的に馬券を購入しており、そのような一連の馬券の購入により利益を得るためには、外れ馬券の購入は不可避であったといわざるを得ない。したがって、本件における外れ馬券の購入代金は、雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として、同法37条1項にいう必要経費に当たると解するのが相当である。
このように継続的に営利を求めるためには外れ馬券は必要不可避ということで、このケースに関しては外れ馬券は必要経費として認められるということです。
これからGIレースが始まりますが、ここまでみてきたように、通常の競馬愛好家が、お小遣いの範囲で、時折馬券を購入するという程度なら一時所得ということになるでしょう。
参考資料
- 国税庁「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」(2018年7月)
- 国税庁「最高裁平成29年12月15日判決及び東京高裁平成28年9月29日判決の概要」
- 国税庁「雑所得」
- 国税庁「一時所得」
- JRA「重賞レース一覧(GⅠ) 2022年」
LIMO編集部