「日経平均株価」は「日経225」と同じ? 「TOPIX」とは違うの?
結論から言えば、「日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)」は「日経225(にっけい・にいにいご)と同じです。「日経平均」とも呼ばれます。
日経平均株価はその名のとおり、日本経済新聞社が算出する株価指数(ある時点の数値を基準にした増減)です。東京証券取引所第1部に上場する225銘柄を選定し、その株価を使って算出する株価平均型の指数です。このため「日経225」とも呼ばれるわけです。海外では「Nikkei 225」などと表記されることもあります。
株価平均型と言っても、株式分割などがあるため、単純な平均ではなく、銘柄ごとにみなし額面を設定し、「除数」で割って算出します。構成銘柄は毎年1回、10月初めに入れ替えられます。2016年10月には、日曹達(4041)が除外され、楽天(4755)が採用されました。日経平均株価は1950年9月7日に算出を開始し、以来60年以上にわたり広く活用されています。
日経平均株価が株価をベースに算出しているのに対して、時価総額を指数化しているのが、「TOPIX(東証株価指数」です。「トピックス」と読みます。「Tokyo Stock Price Index」の略です。
TOPIXは、東証市場第1部に上場する全銘柄を対象として東京証券取引所が算出する株価指数です。1968年1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化しています。ただし、増減や増資など時価総額の増減が発生する場合は、修正が行われます。
ROEや営業利益の水準を考慮して選定するJPX日経インデックス400
東京証券取引所が算出する株価指数には、TOPIXのほか、市場別に、東証第2部株価指数、東証マザーズ指数、JASDAQ INDEX、東証REIT指数などがあります。
新しい株価指数として「JPX日経インデックス400(ジェイピーエックス・にっけい・いんでっくす・よんひゃく)」があります。2014年1月6日に算定が開始されました。
対象銘柄は、東証の市場第1部、市場第2部、マザーズ、JASDAQを主市場とする普通株式で、自己資本利益率(ROE)や営業利益の水準を考慮して銘柄が選定されます。さらに、株価指数の算定・公表ではライバル関係にある日本取引所と日本経済新聞社が共同で算出しているのも特徴です。
日経平均株価やTOPIX、JPX日経インデックス400などの株価指数は、相場動向を測る指標としてだけでなく、投資信託など、多くの連動金融商品でも活用されています。
米国での代表的な株価指数は「ダウ工業株30種平均」と「S&P500」
海外の株価指数で、もっとも注目されるのが、米国の「ニューヨークダウ工業株30種平均」です。「ダウ工業株30種平均」、「ダウ平均」、「NYダウ」など、さまざまな略称で呼ばれます。
米国株式市場のもう一つの代表的な指数が「S&P500指数(エスアンドピー・ごひゃく・しすう)」です。
「ダウ工業株30種平均」は、ニューヨーク証券取引所に上場している工業株を主体とした代表的な30の優良銘柄で構成されている平均株価指数です。「S&P500指数」は、ニューヨーク証券取引所およびNASDAQに上場している銘柄から選定した500銘柄の時価総額をベースに指数化したものです。
ちなみに、S&P(スタンダード&プアーズ)社とダウ・ジョーンズ社は、2012年7月に統合し、世界最大級の指数事業会社S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社となっています。「ダウ工業株30種平均」も「S&P500」も同社が算出・公表しています。
米国での代表的な株価指数には、このほか、NASDAQに上場する、全銘柄の時価総額をベースに指数化した「ナスダック総合指数」があります。
米国以外の海外の主要な株価指数では、「香港ハンセン株価指数」、ドイツ「DAX(ダックス)」、英国「FTSE100(フッツイー・ワンハンドレッド)」、ブラジル「BOVESPA(ボベスパ)」などがあります。これらも世界経済に関するニュースではよく使われる用語ですので、頭に入れておきたいところです。
下原 一晃