総務省のデータによると、今年還暦を迎えるのは153万人にのぼります。還暦は人生の大事な節目の年です。
会社員の場合は再雇用もあるかもしれませんが、多くの人が定年退職となる還暦60歳を迎えるときに、自分の老後と本格的に向き合うようになるのではないでしょうか。人生100年時代、老後の備えはいっそう切実な問題です。
そんな中、PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)は2022年6月、還暦を迎えた1962年生まれの男女2000人を対象に、「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」を実施。その結果から、還暦60歳の気になるお金事情を見ていきましょう。
還暦60歳の貯蓄平均3122万円も4割が「500万円未満」 格差際立つ
貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)は、以下のように大きくばらつきがみられました。
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出典:PGF生命「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」(2022年6月)
- 「100万円未満」(23.0%)
- 「100~300万円未満」(9.3%)
- 「500~1000万円未満」(13.3%)
- 「1000~1500万円未満」(9.7%)
- 「3000~5000万円未満」(8.6%)
- 「5000万円~1億円未満」(9.5%)
- 「1億円以上」(9.4%)
平均:3122万円
2000万円以上と回答した人は35.7%である一方、「500万円未満(計)」の割合は38.0%となり、還暦人における貯蓄格差が浮き彫りになりました。
60歳の貯蓄「退職金」は預貯金・金融投資に
同調査では、59歳時点で就労をしている・していた人で、退職金を受け取る予定がある人(777名)に、退職金の使い道を聞きました。その結果が下記の通りです。
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出典:PGF生命「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」(2022年6月)
- 「預貯金」(67.2%)
- 「金融投資」(20.2%)
- 「国内旅行」(16.6%)
- 「住宅リフォーム」(11.2%)
- 「住宅・リフォームローン返済」(9.9%)
- 「配偶者・パートナーへのプレゼント」(8.6%)
- 「自動車購入」(7.5%)
- 「海外旅行」(7.2%)
- 「子・孫へのプレゼント」(5.9%)
預貯金がダントツで多かったほか、ついで金融投資も2番目に回答が多くなりました。老後の生活を現実的に考えている人が多いのでしょう。
60歳の貯蓄事情「必要な生活費」は平均18万7000円
これからの人生(60歳~)で必要だと思う金額について、【生活費として最低限必要だと思う金額(ひと月あたり)】は平均18万7463円でした。
過去の調査結果と比較すると、生活費として最低限必要だと思う金額の平均は、2020年(19万9710円)をピークに、それ以降は緩やかな減少傾向が見られます。
コロナ禍による生活不安の高まりから、最低限必要な生活費を一時的に高く見積もったコロナ初期。しかし、コロナ禍の長期化による生活様式の変化で、被服費や交通費などの生活費が低く抑えられたのでしょう。
結果、コロナ禍で節約志向が徐々に高まっているように見受けられます。また、2021年の調査からの変化をみると、2021年19万8747円→2022年18万7463円と、1万1284円の減少となりました。
60代世帯の貯蓄平均はいくらか。「3000万円以上」「貯蓄ゼロ」ともに約2割の衝撃
ここまで還暦60歳のお金事情について眺めてきました。ここからは還暦60歳を含む、60代世帯の貯蓄についても見ていきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」を参考に確認しましょう。
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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
60代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
60代の貯蓄分布
- 金融資産非保有:19.0%
- 100万円未満:6.4%
- 100~200万円未満:4.8%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:5.9%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.4%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:9.6%
- 3000万円以上:22.8%
- 無回答:2.6%
60代の貯蓄は平均で2427万円、中央値では810万円となりました。平均値は一部の富裕層に釣りあげられるため、中央値がより実態に近いといえるでしょう。
また、貯蓄3000万円以上と金融資産非保有、すなわち貯蓄ゼロの世帯がともに約2割となっています。PGF生命の調査結果と同様、ここでも平均値に潜む貯蓄格差が浮き彫りになっていることがわかります。
60歳以降の貯蓄額はピンキリ。今から老後を想像する
今回は、PGF生命の調査をもとに、還暦60歳の気になるお金事情についてチェックしてきました。一見充分に貯蓄をしているようですが、中をのぞくとそこには大きなばらつきがあることがわかりました。
また、別の調査にはなるものの、金融広報中央委員会のデータでも同様の傾向が見られましたね。
ご自身が老後になってから慌てないように、現役世代の人はいまからコツコツ貯蓄を進めておきたいところです。まずはご自身のライフプランをじっくり考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。
参考資料
齊藤 慧
