企業が成績を見ない事を知っている学生は勉強せず、それを知っている企業は成績を見ない、という悪循環が生じています(経済評論家、元大学教授 塚崎公義)。

大学は卒業要件を厳しくすると学生が集まらない

学生が勉強しないと嘆いている大学関係者は多いのですが、それなら卒業要件を厳しくしよう、という声は聞こえてきません。

それは、大学同士が受験生の奪い合いをしているため、「あの大学は卒業するのが難しいらしい」という噂が流れた大学には受験生が集まらなくなってしまうからでしょう。

大学の卒業判定を厳しくする事によって優秀な卒業生を多数送り出し、彼らが就職戦線の勝利者となってくれるならば、長期的には大学の評判が高まって受験生が増える可能性もあります。

残念ながら大学で厳しく教育しても就職にはあまり役立たないのです。それは、大学での教育内容が企業の求めるものと異なっている部分があるからです。