大学1年生に内定を出して「勉強しろ」と指示するのは選択肢

大学生を勉強させるために有効な手段はあるのでしょうか。筆者の試論としては、企業が大学1年生に内定を出し、「卒業までに論理的に物を考える訓練を受けて来なさい」と言い渡すことが有効だと思われます。

そうなると学生としては、真面目に勉強することが「仕事」になり、入社後の人事考課に影響しますから、真面目に勉強するインセンティブとしては十分です。

企業としては、単に偏差値の高い大学の学生を採用するというよりも、論理的に物を考える訓練をしてくれる大学の学生を選ぶようになるでしょう。そうなれば、大学としてもそういう教育をせざるを得なくなるはずです。

「大学3年生に内定を出すと4年生が勉強しなくなる」と言われますが、逆転の発想で「内定先から勉強するようにプレッシャーをかければ学生は勉強する」という事を利用するわけです。

筆者が定年退職する前に「是非とも塚崎ゼミで、論理的に物事を考えられるように、厳しく訓練されて来なさい」という企業が出て来れば良かったのですが(笑)。

本稿は、以上です。なお、本稿は拙著「大学の常識は、世間の非常識」の内容の一部をご紹介したものであり、内容はすべて筆者の個人的な見解です。筆者が大学で感じた違和感が綴ってありますが、海外旅行の旅行記のように、「違いの説明」であって、批判ではありません。

<<筆者のこれまでの記事はこちらから>>

塚崎 公義