2022年5月31日に行われた、コタ株式会社2022年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:コタ株式会社 代表取締役社長 小田博英 氏

事業活動の現況

小田博英氏:みなさま、こんにちは。コタ株式会社の小田でございます。本日は、弊社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

まず、決算のご報告に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症による当社への影響について、ご報告させていただきます。

状況についてはご覧のとおり、直近では子育て世帯を中心に、若干の広がりが見られたものの、直ちに事業活動へ影響を及ぼすような状況ではありません。

弊社製品の自主回収に関するお問い合わせへの回答

現在進めている当社製品の一部ロットの回収についてご説明します。

本件の詳細については、お手元の資料「弊社製品の自主回収に関するお問い合わせへの回答」の2ページ以降に記載のとおりです。4月15日および22日に当社ホームページで公表したとおり、弊社製品「コタ アイ ケア シャンプー」を購入されたお取引先より「変臭している」とのお問い合わせがあり、当該製品の社内検査を実施した結果、社内基準を上回る菌が検出されたため、当該製品の一部ロットの出荷停止並びに回収をさせていただいています。

なお、検出された菌を同定した結果、環境中に存在する一般的な菌ですので、健康被害をもたらす恐れはないものと考えており、現在までに健康被害などの申し出はありません。

現在、対象製品をお持ちの消費者のみなさまには、購入先の正規取扱い美容室にて適宜、良品との交換をさせていただいており、その過程でお取引先や消費者のみなさまから本件に関するお問い合わせもありました。

その主な内容と回答については、お手元の資料の1ページに記載のとおりですが、すべての当社製品が販売できないといった状態ではないことから、当社の事業活動に大きな影響を及ぼすような状況ではありません。

6月中には「コタ アイ ケア シャンプー」の供給が通常どおりに戻る見込みですが、今後は再発防止に努め、さらなる品質管理体制の強化を図りながら、安心・安全で高品質な製品の供給に努めてまいりたいと考えています。

目次

それでは、コタ株式会社2022年3月期決算のご報告をさせていただきます。本日は、まず2022年3月期の実績、2023年3月期の業績予想、最後に、今後の展開についてご説明します。

Ⅰー1.サマリー

まずは、2022年3月期決算のサマリーについて、ご説明します。

1つ目は、業績です。売上高、各利益ともに過去最高の実績となりました。

2つ目は、増収要因です。当社のビジネスモデルである「店販戦略」の継続的な推進により創出されたトイレタリーの底堅い需要を背景に、「コタ アイ ケア」の販売が堅調だったことに加え、2021年5月に発売したトイレタリーの新製品「コタクチュール」も好調に推移したことにより、当社では前例のない記録的な伸び幅となりました。

これは、コロナ禍においても、当社は独自のビジネスモデルを展開するとともに、営業担当者を中心に、定期的なPCR検査を実施するなどの感染症対策を十分に行いながら、お取引先美容室に対して対面とオンラインによる営業活動を通じて徹底的に寄り添い、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行い続けたことによるものです。

つまり、2022年3月期の実績は、このような厳しい経営環境においても、美容室の業績向上に貢献できる当社独自のビジネスモデルが有効的に機能した証であると考えています。

3つ目は、増益要因です。売上高の増加と原価管理の見直しなどを引き続き行っていることから、売上原価率は前年同等となり、将来の成長に向けた人的投資などを中心とした経費の増加分を吸収できたことから、各利益は増益となりました。

Ⅰー2.概要

2022年3月期、決算の総括です。売上高については、トイレタリーの主力製品である「コタ アイ ケア」の販売が堅調に推移したことに加え、新製品「コタクチュール」の販売も好調に推移した結果、前期に比べ18.7パーセント増の86億9,100万円となりました。

また、営業利益は21億5,100万円、32.7パーセントの増加、経常利益は21億7,700万円、31.4パーセントの増加、当期純利益は13億9,300万円、19.2パーセントの増加となりました。

Ⅰー3.売上高の内訳

売上高の内訳です。シャンプーやトリートメントが含まれるトイレタリー、整髪料、カラー剤などが前期実績を上回りましたが、その中でも特に、トイレタリーが大きく上回る結果となりました。その理由については、次のスライド以降、順にご説明します。

Ⅰー4.増収の背景①

まず、背景に当社ビジネスモデルのひとつである「トイレタリー」の販売を中心とした「店販戦略」があります。

「トイレタリー」とは、お客さまがご自宅で使われるシャンプーやトリートメントなどのことを言います。そして「店販」とは、美容室に来店されたお客さまに、美容師さんが髪の状態などについてカウンセリングを行い、お客さまのヘアスタイルやヘアコンディションの維持に必要かつ最適な製品を、対面で店舗販売するものです。

当社はコーポレートスローガンに「女性は髪からもっと美しくなれる」を掲げていますが、「髪は女性の命」と表現されるほど、女性は髪をきれいにすることで、自分を磨くことに対する意識が変わり、きれいになっていきます。つまり、その意識改革の最初の入口が髪をきれいにすることであると、当社では考えています。

「世の中の女性を一人でも多く髪から美しくする」。これが当社の願いであり、ミッションであることから、美容室への来店客に対してプロの美容師さんがカウンセリングを行い、付加価値の高いヘアケア提案を行っています。

カウンセリングを通じて、お客さまお一人おひとりの髪質に合う製品を選定し、ヘアケアに真剣に取り組んでいただくことが、きれいになりたい女性客からの支持を高めることになり、お取引先美容室の業績を伸ばすことに繋がります。

このように、「店販」を通じて「女性のきれい」を実現できる美容室では、シャンプーやトリートメントを中心にヘアケア製品の売上が計上され、客単価が大幅に向上すると同時に、女性客から高い支持を受け、繁盛店となります。

Ⅰー4.増収の背景②

こちらは、当社と新たにお取引を開始した美容室の「店販売上」の推移を表したグラフです。ご覧のとおり、2年後には「店販」による売上が2倍以上になるという成果が出ています。

この2倍以上という数字は、お取引先美容室が当社のノウハウを取り入れ、「店販」に取り組まれたことで、これまでにはなかった市場を開拓した結果です。

つまり、消費者のみなさまが、市販品のシャンプーやトリートメントから、美容室でのみ購入できる高品質・高付加価値なシャンプーやトリートメントに切り替えていただいた結果です。

そして「店販」は、お取引先美容室の収益の向上にも大きく貢献しています。なお、「店販」の実績が毎年、着実に推移しているのは、一度きりのご購入ということではなく、当社製品の品質や性能に満足された上で、継続してご使用いただけている証であると言えます。

これが競合他社にはない、当社独自のビジネスモデルによる強みであり、美容室にとっては、当社とお取引をしていただく大きなメリットのひとつでもあります。

そして、この「店販戦略」により創出されたトイレタリーの底堅い需要が、新製品「コタクチュール」の販売にも奏功しました。

Ⅰー5.新製品「コタクチュール」①

新製品「コタクチュール」は、美意識の高い女性のニーズに応えるため、最上質の製品性能を備えたシャンプーとトリートメントであり、当社トイレタリーのトップブランドとして誕生しました。

Ⅰー5.新製品「コタクチュール」②

「コタクチュール」の売上高はご覧のとおりで、発売以降、順調に推移しています。

当初、初年度における販売予定額は16億円を見込んでいましたが、代理店および美容室への導入が計画以上に進んだことに加え、ご使用になられたお客さまが「コタクチュール」の製品性能の高さに驚かれ、継続して購入されていることもあり、2022年3月期における「コタクチュール」の売上高は18億4,400万円となり、計画比115.3パーセントとなりました。

また、第3四半期の11月から12月にかけて、「コタ全国店販コンクール」を開催していますが、「コタクチュール」が店販コンクールにおける販売高の24.4パーセントを占め、コンクールの実績にも大きく貢献する結果となりました。

これらの結果から、「コタクチュール」は当社のコーポレートスローガンを実現できる製品であるとともに、当社トイレタリーのトップブランドとして相応しい製品であると確信しており、2023年3月期以降も、当社の業績に貢献してくれると期待しています。

Ⅰー6.損益計算書

損益計算書です。各科目の数値については、ご覧のとおりですが、冒頭にご説明した当社製品「コタ アイ ケア シャンプー」の一部ロットの回収を行っていることから、発生が見込まれる関連費用として、特別損失に1億5,800万円を計上しましたが、営業利益、経常利益と同様に当期純利益も増益となり、過去最高で終えることができました。

Ⅰー7.貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書

貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書です。まずは、貸借対照表です。各科目の数値および主要な増減要因についてはご覧のとおりで、6月より稼動する研究開発施設、「COTA KYOTO Lab(コタ キョウト ラボ)」の工事費用により有形固定資産が増加しています。

また、キャッシュ・フロー計算書についても、ご覧のとおりです。

目次

次に、2023年3月期の業績見通しです。

Ⅱー1.サマリー

まずは、決算のサマリーについてご説明します。1つ目は、今後の方向性です。

新型コロナウイルス感染症による影響は引き続き不透明ですが、お取引先美容室の来店客数および業績は回復傾向にあります。このような経営環境において、美容室の業績向上に貢献できる当社独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を展開することで、当社はお取引先美容室の、より一層の業績向上に取り組み、美容業界の発展と近代化に注力する考えです。これらのビジネスモデルを引き続き展開することで、当期も増収増益を目指します。

2つ目は、資本政策です。当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的に、今年の4月に12期連続で株式を分割しました。

3つ目は、配当予想です。1株当たり配当金については、普通配当で年間20円を予想しています。また、株式の分割を実施していますので、実質的には増配となる見込みです。これによる配当性向は30.2パーセントです。

Ⅱー2.概要

2023年3月期業績予想の概要です。各科目の数値はご覧のとおりです。コロナ禍においても、美容室におけるシャンプー、トリートメントなどの「店販需要」は底堅く、その重要性も再認識されており、さらに消費者からの高付加価値製品へのニーズも高まっています。

そのような中、当社は引き続き、美容室の業績向上に貢献できる独自のビジネスモデルを展開し、新規開拓したお取引先美容室を含め、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行うことで、着実成長への基盤はより強固なものになると考えています。

また、引き続き、「店販戦略」の主力である「コタ アイ ケア」および「コタクチュール」に加え、5月20日に発売した育毛剤の新製品「コタエイジング グロウセラム」の拡販にも注力していきます。

これらのことから、2023年3月期は増収増益を予想しています。なお、当該新製品の詳細については、後ほどご説明します。一方、さらなる成長のための人材の獲得と育成、設備投資なども、継続して行う予定です。

Ⅱー3.売上高の内訳

売上高の内訳です。数値についてはご覧のとおりで、引き続き、主力のトイレタリーを中心に拡販を図っていきたいと考えています。

Ⅱー4.新製品「コタエイジング グロウセラム」

新製品「コタエイジング グロウセラム」です。お手元にも準備させていただきましたが、先日、5月20日に薬用育毛美容液である「コタエイジング グロウセラム」を発売しました。

この新製品は、各世代が抱える髪の変化にアプローチし、年齢とともに移りゆく髪に寄り添い、今日の喜びと、未来の希望を提案する、エイジングブランドの育毛剤となります。

なお、この新製品には2021年7月9日に特許権を取得した当社独自の「ナノ化育毛成分ユニット」の技術が生かされています。

当該技術の詳細については、時間の都合上、割愛しますが、特許技術により育毛成分が毛穴の深部に浸透することで、毛乳頭付近にある毛細血管に効率よく作用し、毛乳頭の活性化と育毛を促します。

また、植物由来の2つの成分が毛髪の根元の立ち上げをサポートすることで、髪のお手入れがしやすくなります。

つまり、「コタエイジング グロウセラム」は、従来の育毛剤のように未来の髪を育む育毛効果だけではなく、根元を立ち上げてシルエットを作りやすくしてくれるボリュームケアの効果も併せ持っており、「ボリュームが気になる」「ヘアスタイルが作りづらい」といった、現在抱えている悩みにもお応えできることから、すべての世代の女性にお使いいただける製品となっています。

Ⅱー5.店販戦略のさらなる加速

また、「店販戦略」の主力ブランドである「コタ アイ ケア」や「コタクチュール」とも相性がよく、当社製品のユーザーへの提案はもちろん、これまで業界にはなかった「薬用育毛美容液」という新しい要素を持ち合わせたブランドですので、お取引先美容室において、新たな購入者層の開拓が進むことを期待しています。

今後も、美容室での「店販」を通じて高品質で高付加価値な製品を提供し、巨大な市販品市場の消費者を取り込むことで、常に新しい市場を開拓し続け、着実な成長に繋げていきたいと考えています。

Ⅱー6.設備投資・減価償却費

「設備投資と減価償却費」です。内容については、ご覧のとおりです。

Ⅱー7.損益計算書

「損益計算書」です。各科目の数値については、ご覧のとおりです。

Ⅱー8.目標とする経営指標

目標とする経営指標です。当社では、会社の着実な成長と永続、そして資本効率という観点から、売上高経常利益率15パーセント以上、ROE10パーセント以上を目標として定めています。

2022年3月期の決算で、売上高経常利益率は19期連続、ROEは8期連続で目標数値を達成しており、2023年3月期以降についても、継続して達成することに主眼を置き事業活動を行っていきたいと考えています。

目次

次に、今後の展開について、ご説明します。

Ⅲー1.着実成長を目指した取り組み

まずは、「着実成長を目指した取り組み」について、ご説明します。

当社では、さらなる経営基盤の強化を目的としたさまざまな取り組みを行っています。これらは、すぐに成果が出るものではありませんが、一つひとつの取り組みを継続させることで、それぞれが相乗効果を生み、当社の持続的な成長につながると判断していますので、順にご説明します。

Ⅲー2.取り組み①~③

まずは、「人材の積極採用」です。ここ数年は、成長のための人材の獲得を積極的に行っており、特に、営業担当者および研究開発担当者の採用を進めていることから、従業員数は、ほぼ計画どおりに推移しています。

次に、「労働環境の再整備」です。これまでの仕事のあり方および働き方を見直し、業務効率や生産性向上を意識した労働環境の再整備に取り組んでいます。

また、前期は営業拠点の移転拡張を実施しましたが、6月にはものづくりの心臓部とも言える研究開発施設「COTA KYOTO Lab」が稼働します。

製品の付加価値向上による高品質で安心・安全な製品開発体制のさらなる強化と、充実した基礎研究のための環境を整え、この「COTA KYOTO Lab」から当社のコーポレートスローガンである「女性は髪からもっと美しくなれる」の世界観を具現化したブランドの開発を図りたいと考えています。

次に、「社員教育の充実」です。専門部署である教育研修部を設置し、研修内容の見直しやマニュアルの整備を行うことで、新人営業担当者の早期育成を図っています。

当社の強みであり、美容室の業績向上策のひとつでもあるカウンセリングを通じたシャンプーおよびトリートメントなどの販売強化を軸に、新規取引先の開拓に注力しています。

また、当社と考え方を共有するお取引先美容室の新規開拓は、若手営業担当者の「やりがい」や「モチベーション」を高めるといった効果もあります。

これらの取り組みが、当社の「販売力」や「開発力」のさらなる向上に繋がっていると判断しています。

Ⅲー2.取り組み④~⑥

次に、「非正規販売対策の推進」です。「美容室専売品」である当社のシャンプーやトリートメント、整髪料などは、美容室でのカウンセリングを通じた対面による店舗販売を原則とする製品であることから、美容室を経由しない、インターネットや小売店での非正規販売では、お客さま一人ひとりの髪の状態に適した製品を選択することができません。

また、インターネットでは、当社製品の偽造品が販売されるという問題まで発生しており、当社としても、製品の品質や性能などの保証ができません。

このような状態を放置しては、結果として当社製品のブランド価値の低下を招くとともに、美容室の業績や消費者にも悪影響を与えることから、非正規販売を完全否定するための対策を、より積極的に推進・展開していきたいと考えています。

そして、その具体策の一つとして、今期中に当社が運営する公式ECサイト「コタストア」を開設します。当該ECサイトは、当社が直接、消費者へ販売するものではなく、あくまでも、お取引先美容室に通いながら、定期的に当社製品を購入され続けている「リピーター」の方とその美容室を繋ぐものとなっています。

当社が管理するECサイトを開設することで、これまでネット通販などの非正規販売業者に流れていた売上を美容室に戻すとともに、当社製品のブランド価値の向上に寄与すると考えています。

次に、「PR一体型のIR活動」です。これまでも当社では、個人投資家向けの会社説明会を積極的に開催し、多くの個人投資家のみなさまと「考え方」を共有しながら、当社の魅力を発信してきました。

最近では、これまでのIR活動に関する取り組みを進化させ、ヘアケアレッスンや製品デモンストレーションなどのPR要素を取り入れた説明会も展開しています。

当社の株主さまの中には、株式投資をきっかけに当社製品のことを知り、ユーザーになられた方、あるいは、お取引先美容室での製品購入をきっかけに株主にもなられた方がいらっしゃいます。

当社にとっては、株式、製品のどちらがきっかけであっても当社を応援していただける「ファン」づくりが大切であると考えており、そのようなファン株主さまの増加が、当社や当社製品の知名度の向上に繋がっていると認識しています。

次に、「正しいヘアケア情報の発信」です。インターネットやSNSの普及により、最近は髪に関する多くの「誤った情報」が溢れています。

その「誤った情報」を具体的に申し上げることは、この場では控えさせていただきますが、「女性は髪からもっと美しくなれる」というコーポレートスローガンを掲げている美容室専売品メーカーとして、正しいヘアケア情報を多くの女性へお伝えするために、当社では公式InstagramとWebマガジン、YouTubeを開設しています。

そして、当社がSNSやWebでの情報発信を通じて提案する世界観を、美容技術やサービスとして体験していただけるお取引先美容室である旬報店をホームページ上でご紹介しています。実際に、旬報店に足を運ばれた方も多くいらっしゃいますので、引き続き、充実した情報発信に努めていきたいと考えています。

これらの取り組みが、当社や当社製品の「ブランド力」や「知名度」の向上に繋がっていると判断しています。

Ⅲー2.取り組み⑦~⑧

「ステークホルダーとの共有」です。当社では「共有すること」を大切にしており、創業以来、着実成長を継続できている背景には、全役員、全従業員が考え方を共有できているからであると考えています。

さらには、お客さま、株主、お取引業者、地域社会など、当社を取り巻くすべてのステークホルダーのみなさまとも、当社を共有したいと考えています。

その具体策として、当社が目指す未来である「コタビジョン」を公開しています。「コタビジョン」を通じて、みなさまと考え方を「共有」できれば、当社はもっと強く、もっと「いい会社」になれると確信しています。なお、コタビジョンの詳細については、お手元の資料26ページから28ページをご覧ください。

次に、「取締役の増員」です。2015年に業務執行に対する監督機能の強化を図りながら、経営の透明性をさらに高めるために、社外取締役制度を導入しましたが、今後の着実成長の経営路線を背景とした企業価値のさらなる向上に向け、経営体制およびコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るために、当社定款における取締役の員数の上限を、現在の12名以内から18名以内に引き上げ、それに伴い、取締役報酬の上限の増額と取締役の増員を予定しています。

なお、各新任取締役候補者の氏名や略歴、選任理由はお手元の開示資料のとおりですが、6月に開催を予定している株主総会でご選任いただくと、社外取締役は取締役12名中4名となり、その比率はひとつの目安とされている3分の1を超えるとともに、12名中3名が女性取締役となる予定です。

特に社外取締役は、いわゆる「士業」の方ではなく、多方面で活躍されている方たちを候補者としました。そして、それぞれがお持ちの豊富な経験と幅広い見識を活かしていただくことはもちろんのこと、独立した立場に基づいた問題提起を含め、多面的かつ建設的な発言をしていただくことで、取締役会のさらなる活性化に繋げていきたいと考えています。

Ⅲー3.株主還元の方針①

「株主還元方針」です。株主価値の向上を図ることを目的とした株式分割の実施や自己株式の取得などについては、市場環境や資本効率などを総合的に勘案した上で実施することを基本方針としています。

今後も、この方針に基づいた資本政策を実施していきたいと考えていますが、2022年3月期に実施した自己株TOBについても、当該方針に基づいたものです。

なお、直近10年間の実績については、ご覧のとおりで、12期連続で株式分割を行っていますが、着実な業績を背景にEPSも伸びています。

Ⅲー3.株主還元の方針②

最後に、「剰余金の配当」です。剰余金の配当については、将来の事業展開への備えと財務体質の強化のために、必要な内部留保に配慮しつつ、継続的・安定的な配当を実施することを基本方針としています。今後もこの方針に基づいた剰余金の配当を実施していきたいと考えています。

なお、直近10年間の実績については、ご覧のとおりで、配当金額は株式分割を考慮すると、実質増配が続いています。また、総還元性向については、ご覧のとおりです。

Ⅲー4.本日のまとめ

当社は創業以来、「美容室の繁栄が、当社の繁栄につながる」という考えのもと、お取引先美容室の業績を向上させることで、これまで着実に成長してきました。

今後についても、当社独自のビジネスモデルにさらに磨きをかけ、持続的な成長を図りながら、さらなる企業価値の向上につなげていきたいと考えています。

女性は髪からもっと美しくなれる

以上をもちまして、コタ株式会社、2022年3月期決算のご報告を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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