生命保険文化センターの意識調査に「自分の老後生活がそれまでの生活と比較して経済的にどのように変化すると考えているか」を調べたものがあります。
老後の生活を「経済的に豊かな生活」「同じ程度の生活」「つつましい生活」に分けた場合、みなさんが想像する自分の老後はどこにあるでしょうか。
「理想は豊かな生活を送りたいけど、現実はつつましい生活になるだろう」とお考えの方も多いかもしれませんね。
老後生活は公的年金をベースに不足を貯蓄などの資産でおぎなうのがセオリーですから、本記事では厚生年金の受給額事情をくわしくみていきましょう。
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1. 厚生年金だけでは足りない?老後の生活「不安」
先述した調査によると、自分の老後生活はそれまでに比べて「つつましい生活」になる(なった)と回答している人は70%にのぼります。
平成5年からの回答結果を追うと、国民の意識には大きな変化がでていましたので比較してみましょう。
1.1 平成5年の回答
- 「経済的に豊かな生活」…5.1%
- 「同じ程度の生活」…36.1%
- 「つつましい生活」…46.6%
- 「わからない」…12.2%
1.2 令和元年の回答
- 「経済的に豊かな生活」…1.8%
- 「同じ程度の生活」…20.7%
- 「つつましい生活」…70.0%
- 「わからない」…7.5%
豊かな老後を望む人は少なくないはずですが、実際に「豊かな老後になる」と実感できている人はわずか1.8%。
「つつましい生活」になると回答している人は平成5年の46.6%から上昇をつづけ、平成25年には71.8%に到達しています。
国としても資産運用を促す政策を展開しており、令和元年にはやや回答率が下がったとはいえいまだ70.0%と老後への不安は高止まりしている状態だといえるでしょう。