3. 「厚生年金だけで将来は安心」なのか?収入と支出を試算
老後生活について、まず「収入」の面で考えましょう。
厚生年金の平均受給額は月16万4742円でした。仮に月16万円の受給とすると、年間192万円となり、現職中に比べると収入が少ないと感じる方は多いでしょう。
さらに、少子高齢化を考えると年金については既に減ることが予想されているため、平均の受給額を聞いて安心するには時期尚早です。
次に「支出」の面です。
総務省統計局の家計調査報告によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出と非消費支出の合計は14万4687円です。
この費用の内訳は、食費や光熱費など生活していくうえで最低限欠かせない費用が含まれています。平均だけの話でいうと、健康で過ごせるならば、厚生年金だけで最低限の生活はできるかもしれません。
ただし、若年層を中心に100歳まで生きるといわれる今、長生きリスクの介護のことも考える必要がありそうです。
日本FP協会によれば、介護保険受給者の1人あたり使用額は月に約17万円と言われています。介護期間は平均で5年ほどですが、年金だけでは不足すると言えるでしょう。
老後のためにできることは長く働くか、老後資金を早いうちから準備するかです。
ゆとりある老後や、FIREという生き方の早期退職を考えている人は早めの対策が必要となるでしょう。
「私的年金のiDeCo、つみたてNISAや一般の投資信託」など、自分で資産を築く方法もありますね。今は資産運用と検索するだけでたくさんの情報がでてきます。その中で自身に合う資産運用の方法を見つけ老後資金をつくっていきましょう。
人によっては長い仕事人生となるでしょう。心身ともに健康でいるためにはリフレッシュすることも忘れずに。
デジタル化が進み、情報が溢れ、オンオフの切り替えが難しくなる今、外部との環境を遮断してくれるサウナのように、自分自身と静かに向き合える「ととのう」時間を確保することも大切です。
老後をどのように過ごしたいか、今一度、自分自身を見つめ直すきっかけなれば幸いです。
参考資料
- PRTIMES「【LINEリサーチ】サウナが好きな人は5割超、女性よりも男性の割合が高い結果に サウナの好きなところは、男女ともに「汗をかく/デトックスになる」が1位にランクイン」
- 日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)」2020年
- 日本FP協会「主なライフイベントにかかる費用の目安」
齋藤 英里奈