3. 国民年金の追納
国民年金の追納とは、これまで未納や免除・猶予を受けてきた保険料を後から納めることです。
未納があるかどうかは、ねんきんネットにログインすることで確認できます。学生時代に免除を受けていた方などもいるでしょう。10年以内などの条件を満たせばこの分を追納できます。
これにより将来の受給額を上げられる可能性があるので、まずは自分の納付状況を確認してみましょう。
4. 年金受給額をあげる「繰下げ受給」
年金の受給額を手っ取り早くあげたい場合、年金の「繰下げ受給」が選択肢となります。
繰下げ受給とは、本来65歳から受給する年金を遅らせることで、受給額をアップさせる方法です。
受給を1カ月遅らせるごとに0.7%が増額され、1年間遅らせると増加率は8.4%にもなります。
最長で75歳まで受給を遅らせることができるので、増加率の上限は84%にもなります。
もし国民年金の月額が6万円の場合、最大11万400円まで増やせる計算です。もし夫婦世帯なら、合計で22万800円となります。
単純に受給額をアップさせたい!と望む方にとっては有効な方法です。
ただし繰り下げ受給には「それまで年金収入がない」「受給額が増えた分、税金や保険料の負担も高まる」というデメリットがあります。
「受給額が増えるのはうれしいけど、早く亡くなったら損しそう」「75歳までの10年間はどうやって暮らせばいいの?」という不安から、実際に選択する人はまだ少ないです。
4.1 実際に繰下げ受給をする人の割合
厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を繰り下げる人は1.0%、国民年金を繰り下げる人は1.6%に留まりました。
デメリットを踏まえ、慎重に検討する必要があるでしょう。