人生100年時代、老後の生活費を、年金だけですべてまかなうのは難しいでしょう。豊かな老後を過ごすためにも、現役時代のうちから貯蓄をしっかりしておくことが重要です。
2019年、金融庁のレポートに端を発した「老後資金2000万円問題」が話題になりました。
「2000万円」という決して小さくはない金額。これを貯蓄できた世帯はどのくらいあるのでしょうか。今回は「定年後の世帯」の貯蓄事情をチェックしていきましょう。
定年後の貯蓄の実態の前に。全体の平均はいくらか
まずは、二人以上の世帯における2021年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)をみていきます。
総務省が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯当たりの貯蓄額は下記の通り。
- 1世帯当たり貯蓄現在高・・・1880万円
- 貯蓄保有世帯の中央値・・・1104万円
いずれも1000万円を超えています。意外に貯蓄額が大きくて驚いた方もいるのではないでしょうか。
平均値は一部の「お金持ち」層によって引き上げられるため、「中央値」を参考にするといいでしょう。