今までの平均年収400万円の暮らしは、これからもできるのか
平均年収が維持できていれば大丈夫という「変わらない」ことは、これからの時代を生き抜くには難しくなるかもしれません。
終身雇用が崩壊といわれる今、「大学卒業、結婚、出産、住宅購入、定年まで一つの会社に勤め上げ、退職後は退職金と年金で収入をまかない余生を過ごす」というようなこれまでの標準的なライフプランは、多くの人にとって今後はほとんど当てはまらないでしょう。
若年層を中心に、働き方も多様化しています。
最近では、転職はもちろんのこと、副業という形態で個人が複数の仕事を持つという形式は増えつつありますし、企業や組織に属さず働く、いわゆるフリーランスという働き方も増加してきています。
このように多様なスキルを身につけ、そのスキルを生かしながら、一つの企業に留まらず働くことで、収入アップや長く働き続けることが可能となるでしょう。個々が個人事業主のように働く未来が待っているかもしれません。
その一方で、退職金制度は一定の勤続年数に応じて支給される、もしくは勤続年数に比例して増加する形式が多くなっています。
転職が多い人や自営業も含め、企業や組織に留まらない働き方の場合は退職金が受け取れないか、退職金があっても低い水準になる可能性があります。
一つの企業に留まらない働き方は、多くの人にとって老後の収入の柱である退職金給付という点で不利な面もあります。
そのために自助努力として、資産運用を取り入れるのもいいでしょう。
今まで見てきたように、実質的なお金の価値で考えると、預貯金も絶対的に安全な資産であるとはいえません。平均年収のランキングも下がる日本、資産としての円貯金はいずれ先進国最弱と言っても過言ではないでしょう。
緊急の手元資金は貯金での確保が必要ですが、すぐに使わないお金については資産運用を始めるのもいいでしょう。今は運用益が非課税になる、つみたてNISAやiDeCoなど国の制度もありますね。
資産運用についても標準的なモデルはなく、唯一の正解は存在しません。今後の自身のライフプランとマネープランにより、どれくらいの資金が必要となるかを考えたうえで、自身に合った資産運用の選択肢を取り入れ、変化していく時代を乗り切っていきましょう。
参考資料
齋藤 英里奈