平均年収は変わらず、値上げが続く今、抱えている問題とは
日本人の平均賃金がずっと変わらないという事実を確認しましたが、今までのデフレの時代は大きな問題とはなっていませんでした。
デフレとはデフレーションというのが正式名称で、物価が下がることをいいます。具体的に事例を用いて考えましょう。
たとえば、今年に1000円でリンゴを10個買ったところ、来年は同じ1000円でリンゴを11個買うことができるようになった場合です。同じ1000円なのに、買えるリンゴが1個増えたので、物価が下がっているわけです。
一方、インフレとは正式にはインフレーションといい、デフレとは逆に物価が上がることをいいます。
同じ例で、現在の1000円でリンゴを10個買うとします。しかし、来年になると同じ1000円で、リンゴが9個しか買えなくなったとします。同じ金額でも買えるリンゴは1個減っているので、物価が上がっているわけです。
デフレでは物価が下がるため、賃金が変わらなくても買えるものの量は増えることになります。つまり、デフレにおいてはお金の実質的な価値が上がります。
では、これからインフレになった場合はどうなるでしょう。驚くほどのスピードの円安、ガソリンをはじめとする燃料費や光熱費、食料品の値上げラッシュなど、幅広いモノの価格上昇が既にニュースでも報じられていますね。
このようなインフレの場合には「変わらない」ということ自体にリスクがあるのです。お金の実質的な価値が下がり、賃金も貯金も変わらなければ、それだけで資産の目減りにつながります。
失われた30年を延ばしてしまうのか、食い止めるのか、自身の今後の行動が鍵となるでしょう。