近年、「つみたてNISA」や「FIRE」など資産形成関連のワードをよく耳にします。実際に、日本銀行の発表する資金循環統計の「個人金融資産の残高推移」は右肩上がりです。

資産形成の目的は人それぞれで、「老後の資金づくりのため」や「結婚、退職等のライフイベントに備えるため」、「自分の夢を叶えるため」など様々あるでしょう。

ここでは、資産形成の基本として、ゴールベースアプローチに基づいたライフプランニングについてお話ししていきます。

ゴールベースアプローチとは?

「ゴールベースアプローチ」とは、「個人の将来の目標に向けて資産などを管理していく手法」です。これは、米国で1990年代から新たな手法として取り入れられ、現在では証券会社、銀行等の対面チャネルの個人顧客に対してのアプローチの基本にもなっています。

日本でも、2019年に金融庁が米国を参考にゴールベースアプローチを提唱していることから、徐々に認知度が高まっています。

金融機関は、これまでは、どれくらいの利回りが出るか等の金融商品の特徴をメインに展開してきていましたが、ゴールベースアプローチはそれに加え顧客の人生設計に基づいて、どれくらい貯蓄するのか、支出はどこまで抑えるのか、投資商品は何を選ぶのか、等を個々に合わせた選択をしていく点が特徴的です。

自分自身の資産形成プランを策定してみましょう

ゴールベースアプローチに基づく投資手法は多岐に渡りますが一例を紹介すると、まず、現在の家計の資産や負債の状況を基にバランスシートを作成して家計の健全度を把握します。加えて、12~15カ月の短期目標、2~5年の中期目標、5年以上の長期目標を策定します。

その上で、自分のキャリア形成に応じたキャッシュイン、生活資金やライフイベントに応じたキャッシュアウトを予測して、家計の変化をシミュレーションします。

次に、自分自身のリスク許容度を考慮して運用方針を決定していきます。ここで特徴的なのが、自分の掲げた各目標に対するリスク許容度も考慮する点です。

例えば、子供の教育資金等のより保守的な投資アプローチを必要とする目標はリスク許容度が低くなり、別荘の購入等のより裁量的な目標はリスク許容度が高くなります。

自分自身の目標を叶える手段として

日本では、2019年に金融庁から発表された「年金2000万円不足問題」やつみたてNISAの若年層への普及により資産運用に対する関心層はここ数年増加傾向です。

ゴールベースアプローチは、「貯蓄から資産形成へ」を更に具体化した投資手法となっており、自ら金融リテラシーを高めていくことや、場合によっては金融のプロフェッショナルと定期的に相談して自分の資産形成プランを策定していくことが必要になってきます。

一方、ゴールベースアプローチを採用することで、長期の資産形成を前提にしていたのに、不況時に投資をやめてしまうことなどを回避して、落ち着いて自分の資産を守っていくことができます。その他にも、人生設計を具体化し合理的に行動することで、将来への不安を取り除き自分自身の夢の実現に近づくことができるでしょう。

皆さんの資産形成にも徐々にこのような視点も取り入れてみてはいかがでしょうか。

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