「貯蓄を切り崩して生活する」70代に向けた対策とは
70歳以上世帯の貯蓄事情について眺めてきました。
3000万円以上の資産を保有する世帯は全体の22.1%ですが、一方で「老老格差」とも呼ばれる二極化も見られました。
60代には退職金を受け取る人、受け取らない人に分かれるため、こうした差もあるでしょう。しかし退職金だけではなく、現役時代から準備してきたかどうかも大きいです。
老後はいつまで働き続けられるかわからない分、「貯蓄を切り崩しながら生活する」と想定しておいたほうがいいでしょう。
年金だけでは生活が厳しくなる昨今、今から少しずつ老後の備えを始める必要があります。
「老後のお金がない」という状況を回避するためには、現役時代からの積み重ねが大切になるでしょう。
大切なのはライフプランを見つめることで、「貯め時」を意識することです。そして貯蓄の手段についても70歳以上世帯を参考にしつつ、預貯金・保険・資産運用のバランスを保ちたいですね。
老後までの時間から逆算し、時間が限られている人ほど効率的な貯蓄が求められます。この機会に、一度じっくり「マネープラン」を立ててみてはいかがでしょうか。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年(2021年)調査結果」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果―(二人以上の世帯)」
太田 彩子