株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年3月24日から3月30日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-マクロ市況やイベントに左右された1週間

今週上昇したのは、石油・石炭製品、鉱業、電気機器、化学、電気・ガス業の5業種。

米WTI原油先物高を受け、国際帝石(1605)、JXホールディングス(5020)などの鉱業が上昇。

また、半導体製造装置向けセラミック部品の増強を報じられた京セラ(6971)を始め、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)などの半導体関連株も強含み、電気機器も値を上げた。

電気・ガス業は、東京電力ホールディングス(9501)と中部電力(9502)が2019年度を目処に火力発電事業を両社が共同設立したJERAへ統合することで基本合意したとの発表が好感され大幅続伸となった。

一方、下落が大きかったのは、証券、商品先物取引業、空運業、保険業など。28業種が下落した。

軟調なマーケットを背景に、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)などの証券、商品先物取引業、東京海上ホールディングス(8766)、MS&AD(8725)などの保険業は値を下げた。

米WTI原油先物高から燃料費上昇の思惑を受け、日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)といった空運株も安い。

今後のマーケット見通しの注目点

今週は、マクロ動向よりも個別物色の強い相場展開であった。もともと日本のマーケットは、4月から5月にかけて2017年3月期決算企業の決算発表が相次ぐことから、個別企業の業績動向を見極める局面になってくる。

実質4月新年度入り相場となる今後も、個別企業のバリエーション(株価評価)をていねいに探る展開となりそうだ。

出所:SPEEDAをもとに筆者作成

岡野 辰太郎