分析対象試合

  • ジュビロ磐田vsサガン鳥栖 明治安田生命J1リーグ 第7節 2017/4/16

分析対象シーン

  • 動画の0:49〜0:57まで(8秒間)

分析の対象となるのは、「ジュビロ磐田vsサガン鳥栖(明治安田生命J1リーグ 第7節 2017/4/16)。

とり上げる理由は、この試合で見られた場面(ジュビロ磐田が1−1の同点に追いつく場面)に日本サッカーが抱える最も深刻な課題が凝縮されているとも言えるからです。

この場面における中村俊輔のプレーを日本のサッカーメディアは挙って礼賛していました。

それを要約すると、以下のようなトーンです。

  • アダイウトンのゴールの一連の動作には、しなやかさとキレがあった。
  • 磐田・中村選手のPA内での縦へのドリブルに追いすがる鳥栖・吉田選手がスライディングしたところで深く切り返し、左足裏を使ってボールをベストポジションに引き寄せる。
  • 中村選手がルックアップした先にはマイナス気味に動いて相手から離れたアダイウトン。
  • 「頭よりボレーの方がいいかなと思って、少し優しめに出した」というプレゼントパス。
  • 同点弾をアシスト。

ご覧の通り、これが礼賛一辺倒の典型的な例です。

中村俊輔が上手いのは紛れもない事実ですが、とはいえ、この場面において鳥栖の選手が見せた杜撰を極める守備であれば、中村俊輔でなくとも簡単にクロスを入れることができたでしょう。

これだけド派手にジャンピング・スライディングで滑ってくれれば、U16の選手でさえ容易に交わすことができます。

この場面、もちろんDFは滑ってはいけません。

しかし日本では育成カテゴリーから「飛び込んでボールを止めろ!」と教育されているせいか、この無謀な守備をむしろ奨励する風潮があります。

完全に誤った守り方であるというのに、なぜ今にしてもなお「スライディング」が過度なまでに多いのか。育成組織やJの監督たちに問いたいと思います。