4. 「パートナーとの死別」家族の保障を考える
人生にはあらゆるリスクが存在します。だれでも健康的に長生きできればいいのですが、そうはいかないのが人生。「万が一」の備えが必要なのです。
例えば夫婦2人で老後を迎える場合、月の収入は二人分の年金額となるので安心に思えます。
ここでパートナーが亡くなってしまえば、収入が減ってしまいます。遺族基礎年金は子どもがいる配偶者が対象なので、老後に先立たれると保障が手薄になってしまいますね。
パートナーが亡くなるリスクに対し、備えられる方法は次のとおりです。
4.1 できるだけ長く働き続ける
年金以外の収入源を確保することで、リスクを分散させるという考え方です。健康管理の面からも、働くことにはメリットが多いですね。
近年では働くシニアが増えました。少子高齢化の今では社会からもシニアの労働が求められており、可能な限り働き続けることが理想でしょう。
4.2 最低限の死亡保険は残す
子どもが巣立つまでは死亡保険に加入する家庭が多いですが、パートナーの生活保障を考えると、子どもの独立後であっても解約してしまうのはリスクがあります。
パートナーがその後も暮らしていけるぐらいの保障は残しておきましょう。
4.3 年金の繰下げ受給
年金を繰下げ受給すれば、その分受給額をあげることができます。1ヵ月遅らせるごとに0.7%増額でき、最大75歳の繰下げで84%増になります。
単純に年金額が増えれば、老後の生活にも余裕が生まれやすくなるでしょう。
ただしその間は年金収入がないので、働き続けられることが前提になります。自分の健康状態とも相談しながら、しっかり判断することが重要です。
5. おわりに
パートナーが亡くなった場合の年金についてまとめてきました。
万が一の保障は気になるものですが、まずは「公的な保障」をしっかり理解することが重要です。
年金未払いの分は遺族が受給できますし、さらに条件を満たす家族は遺族年金も受給できます。
これらを知ることで、過剰な生命保険には加入しないよう気をつけましょう。
ただし、保険が全く不要というわけでもありません。リスクに対して最低限の保障は持ち続けておきたいですね。
老後を迎えてからでは保険加入も制限されるため、今のうちに「年金を増やす方法」「民間の保険で備える方法」の両方を検討しておきたいですね。
参考資料
太田 彩子