4. 繰下げ受給の落とし穴とは
年金は将来の生活を支えるとても大切な収入源なので、その金額をアップさせるために「繰下げ受給」はとてもメリットの高い選択肢です。
しかし、誰もが働き続けられるわけではありません。働けなくなることも想定すれば、年金受給開始までは無収入となることが「繰下げ受給の落とし穴」と言えるでしょう。
また年金の額面があがれば、税金や社会保険料もあがります。意外かもしれませんが、条件を満たした方は税金も社会保険料も「年金からの天引き」で納めます。
つまり額面通りには受け取れないのです。引かれるものが多くなれば当然手取り額が少なくなるため、「思った以上に増えない」ことにもなりかねません。
繰下げ受給を検討するときは、こうした“落とし穴”に気をつける必要があるでしょう。
5. 年金とあわせて「貯蓄」も重要に
不確定要素の多い老後を生き抜く場合、年金ととも重要となるのは「老後資金」です。
預貯金や個人年金などで、ある程度自分で資産を築くことが重要になるでしょう。
人生100年時代とは言いますが、健康寿命と平均寿命は一致しません。健康に過ごせるという保証がない以上、自分自身で資産を作ることが大切です。
最近ではiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどが話題になりますね。税金面でも優遇され、初心者でも始めやすいとされています。
預貯金に加えてこのような資産運用を取り入れられれば、「守りながら効率よく育てる」ことも可能に。
ただし元本割れのリスクがあり、掛け金の上限も設けられています。始める際には入念な情報収集が必須となるでしょう。
あらゆる選択肢を考慮した上で自分にあう方法を見つけ、効率的に準備を進めていきたいですね。
※5月4日読者の方からご指摘をいただき、内容を一部修正しております。
参考資料
太田 彩子