3. ただし「健康寿命」も忘れずに
シニアにとって、年金受給額を増やせる繰下げ受給はメリットの高い手段です。しかし気をつけたいのは、「働き続けることが大前提にある」ということ。
最大で10年も年金の受給を遅らせるのであれば、できるだけ長く働いて収入を得ることが大切になるでしょう。そのためには健康であり続けることが何より重要です。
参考までに厚生労働省の「健康寿命の令和元年値について」から、最新の平均寿命と健康寿命をご紹介します。
3.1 平均寿命
- 男性:81.41歳
- 女性:87.45歳
3.2 健康寿命
- 男性:72.68歳
- 女性:75.38歳
健康的に働ける期間にはリミットがあることがわかりますね。
男女ともに75歳まで働けるかどうか、不安になる数字ではあります。
「健康で働き続けること」がセットになる以上、繰下げ受給については慎重に選択しなければなりません。
さらに自分自身の健康だけでなく、配偶者の介護状態などにも左右されますね。「だれでも必ず70歳以上まで働ける」とは言えないのが現状なのです。