「老後の安心」は貯蓄の努力で作る時代
70歳以上世帯の貯蓄事情について眺めてきました。
統計データでは、70歳以上世帯の平均貯蓄額は2259万円。しかし、金額の分布からは平均値だけでは見えない「老老格差」とも呼ばれる二極化をみてとることもできます。
格差は70代になって生まれるものではなく、これまで堅実に貯蓄をした人とできなかった人との差でも生まれます。
「老後のお金がない」という状況を回避するためには、現役時代からの積み重ねが大切になるでしょう。
老後を過ごすいまのシニア世代が、「どのくらい貯蓄をキープしているか」を知ることは、マネープランを立てる上で何らかの参考になりそうです。
そうはいっても、現役時代の貯蓄ペースは個別の事情で大きく異なります。地方か都会か、子どもがいるかどうか、さらにはその進路でも左右されます。
大切なのはライフプランを見つめることで、「貯め時」を意識することです。そして貯蓄の手段についても70歳以上世帯を参考にしつつ、預貯金・保険・資産運用のバランスを保ちたいですね。
時間が限られている以上、効率的な貯蓄が求められます。この機会に、一度じっくり「ライフプラン」と「マネープラン」を立ててみてはいかがでしょうか。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
参考資料
太田 彩子