生活保護の4つの受給条件を解説
生活保護を受ける前提条件は、収入が厚生労働大臣の定める最低生活費を下回っていることです。
最低生活費の計算方法は以下のとおりです。
最低生活費 = 生活扶助(第1類)+生活扶助(第2類)+住宅扶助+その他の扶助
- 第1類:個人的費用(食費・衣類など)
- 世帯に共通してかかる費用(水道光熱費など)
- 住宅扶助:実際に支払っている家賃・地代
- その他の扶助:教育扶助(高等学校等就学費など)・介護扶助(居宅介護等にかかった介護費の平均月額など)・医療扶助基準(診療等にかかった医療費の平均月額など)
算出した最低生活費に対して収入が下回っていたら、次に紹介する4つの条件にも該当するか確認してください。
生活保護の受給要件1. 資産の活用
次に挙げる資産を売却するなどして生活費に充てることが優先されます。
- 未使用の土地・家屋
- 住宅ローンを支払っている居住用家屋(完済していれば売却扶不要)
- 株式・債券
- 貯蓄型の生命保険
- 車(通院など生活に必要な場合を除く)
- 貴金属やブランド品
これらの資産を温存していると、生活保護は受けられません。
生活保護の受給要件2. 能力の活用
病気や求職活動が上手くいかないケースを除き、就労可能な状態であれば能力に応じた仕事に就く必要があります。
働ける状態で無職というケースでは、生活保護は受けられません。
生活保護は能力に応じた仕事をしていても、最低生活費を収入が下回っていれば受けられます。
「生活保護 = 働いていると受けられない」という訳ではありません。
生活保護の受給要件3. あらゆるものの活用
公的年金や公的融資制度などを活用し、それでも最低生活費を上回る収入に至らない時に生活保護を受けられます。
活用できる公的制度は次のとおりです。
- 公的年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)
- 健康保険(傷病手当金・療養費など)
- 雇用保険(失業等給付・就職促進給付・教育訓練給付など)
- 労災保険(遺族補償給付・療養補償給付・休業補償給付など)
- 生活福祉資金(総合支援資金・福祉資金・教育支援資金など)
- 生活困窮者自立支援制度(住居確保給付金・一時生活支援事業など)
生活保護の受給要件4. 扶養義務者の扶養
同居している親族に一定の収入があれば、たとえ住民票の世帯が別でも生活保護は受けられません。
別居している親族でも、仕送りなどの援助がある場合は同様です。