【繰下げ受給】ソンする人、トクする人3つのポイント

それでは、ここまでの内容を踏まえて、改めて「繰り下げ受給」をすると得な人、損な人をまとめてみましょう。

繰り下げ受給をすると得な人

1.夫婦世帯で一方の年金で生活できる人

たとえば、夫の年金だけで生活ができるのであれば、妻の年金は繰り下げることで、年金額を増やすことができます。妻が専業主婦などで基礎年金だけの場合、夫が亡くなったあとの年金額の減少を軽減できます。女性は男性よりも平均的に長生きをするので、妻の年金だけ繰り下げる方法は有効です。

2.充分な貯蓄がある人

貯蓄がある人は、先に貯蓄を生活費に充てて、年金を繰下げることで年金額を増やすことができます。

3.長生きできそうな人

健康に自信があり、自分が長生きしそうだと思っている人は、仕事を続けて、その分繰り下げ受給をして年金額を増やすといいでしょう。

繰り下げ受給をすると損な人

1.加給年金をもらえる人

厚生年金受給者で扶養している65歳未満の配偶者がいる場合、繰り下げ受給をしたことで、その配偶者が65歳に到達してしまうと、加給年金の受給資格を失います。また、加給年金は繰り下げ受給をしても増額の対象とはなりません。

2.在職老齢年金が支給停止になる人

年金と給与の合計額が47万円を超えて、年金が支給停止となると、その支給停止となった部分は繰り下げ受給をしても増額の対象とはなりません。そのため繰り下げによる増額効果は小さくなります。繰り下げ受給は基礎年金と厚生年金で別々に行うことができるので、支給停止の影響がない基礎年金だけ繰り下げる方法もあります。

3.健康状態に不安がある人

健康上の問題で長く働けない、健康状態に不安がある人は繰り下げ受給ではなく、むしろ繰り上げ受給をして、年金を早くからもらっておいた方がいいでしょう。年金改正によって、減額率が0.4%になったことで、以前よりも減額の影響は少なくなりました。