「老後資金は自分で作る必要がある」という現実
今後の年金受給額はますます減少していく可能性が高いです。今の70代と同じ水準が続く保証はないのです。
そこで重要となるのが、自分で用意する老後資金。「年金の保険料を払っているのに、まだ自分でも用意しないといけない」という現実に、やるせない思いを抱える方もいるでしょう。
また現在は低金利状態が続くため、銀行に預けるだけではお金が増えません。「銀行に預けるだけでお金が増えた」という70代に比べると、貯蓄の面でも不利に思えてしまいますよね。
しかし、内閣府が発表した「令和2年版高齢社会白書」によると、総人口に占める75歳以上人口の割合は、令和47年には25.5%となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されています。
現在の30~40代が70代になる頃には、ますます公的年金に頼れなくなるのです。現実を受け止め、自分で資産を築くことが必要になるでしょう。
「資産寿命を延ばす」という視点も大切に
貯蓄をするにあたり、「資産運用」を選ぶ方も増えてきました。低金利の今では、銀行預金だけでなく運用も組み合わせることで、リスクを分散させるという視点です。
もし現役世代のうちに資産運用に慣れておけば、定年退職後も低リスクの資産運用を続けるという選択肢が増えます。
複利の効果を得ることでお金が働いてくれ、切り崩すペースが遅くなります。つまり、資産の寿命が延びるということです。
ただし資産運用にはリスクがあるため、定年後にいきなり始めるのはおすすめできません。今すぐ始めるとしても、確かな情報収集が必須でしょう。
とれるリスクも十分考慮しながら、「資産を守る」「資産を育てる」ための最適なバランスを見つけていきたいですね。
参考資料
太田 彩子