オリックスの3Q決算の業績を振り返る

ここで、オリックスが2022年2月7日に発表した2022年3月期第3四半期の業績を振り返っておきましょう。

オリックスの2022年3月期3Qの営業収益は1兆8681億円(前年同期比+12.2%)、営業利益は2821億円(同+45.6%)、株主に帰属する四半期純利益は2113億円(同+48.8%)となりました。

各事業の動向は以下となります。

法人営業・メンテナンスリース

セグメント利益は710億円(前年同期比+41%)。投資先の上場に伴う有価証券売却・評価損益、受取配当金の増加などが寄与。

不動産

セグメント利益は278億円(同+68%)。大京やその子会社の不動産売上高が増加したほか、賃貸不動産の売却によりオペレーティング・リース収益が増加した。

事業投資・コンセッション

セグメント利益は102億円の損失(前年同期は同45億円)。投資先での資産の評価損、棚卸資産の評価損の計上などが影響。

環境エネルギー

セグメント利益は184億円(前年同期比+8%)。投資先の売却により子会社・関連会社株式売却益が増加したことなどが寄与。

保険

セグメント利益は456億円(同-11%)。旧ハートフォード生命での変額保険にかかる責任準備金の戻入額の減少が影響。

銀行・クレジット

セグメント利益は344億円(同-10%)。信用損失費用や広告宣伝費の増加が影響。

輸送機器

セグメント利益は32億円(同-26%)。Avolon Holdingsでの損失計上が影響。

ORIX USA

セグメント利益は682億円(同2.7倍)。投資先の売却などにより有価証券売却・評価損益、受取配当金、子会社・関連会社株式売却益が増加した。

ORIX Europe

セグメント利益は561億円(同2.1倍)。受託資産の平均残高の増加によりサービス収入が増加した。

アジア・豪州

セグメント利益は359億円(同5倍)。投資先の売却により子会社・関連会社株式売却益が増加したほか、韓国、中国における金融収益や豪州におけるオペレーティング・リース収益が増加した。

こうしてみると、海外での利益成長が著しいです。

売却益の計上や受託資産の残高増加、金融収益の増加など、どの地域も金融関連事業が牽引しています。

一方、国内での事業投資や銀行といった事業では損失計上または減益となっており、国内外で方向の異なる業績となりました。