キャリアを考える上で大切な視点
性別に限らず、正規雇用と非正規雇用では給与面に大きな違いがあります。
それでも非正規として働くことを選ぶ女性が多いのには、それぞれの事情があることが推察されます。
どのような働き方でも尊重されるべきで、「どちらのほうがいい」と他人が指摘することではありません。
しかし、もし「本当は正規で働きたいけれど、現状を打破する方法がわからない」ということであれば、社会として働き世代を支える仕組みづくりがもっと進むべきではないでしょうか。
もっとも避けたいのは「他の選択肢」を知らないまま、望まない働き方をすることです。
また現状だけでなく、将来のことも視野に入れたキャリア選択ができることが望ましいですね。
例えば現役時代の給与は、将来の年金額にも反映されます。今の給与格差が、やがて年金受給額の格差にもつながるということです。
こうしたお金の情報を知っておくことはとても重要です。今後はパートでも厚生年金に加入できる動きがありますが、「手取り額が減る」というマイナス面しか見られていないこともあります。
キャリアやお金については、目の前のことや一つの面しか見ないのではなく、「将来のことを多角的に捉える」ということが重要になります。
そのためには何よりも情報を得ることが大切です。さまざまな方面にアンテナを張り、自分や家族にとって満足のいく働き方を模索したいですね。
参考資料
- 厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」
- 内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」
- 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」
- NHK「2022年度(令和4年度)国内放送番組編成計画」
太田 彩子