ESG投資拡大の鍵を握る地域金融としての役割

今回の調査結果の中で環境省は、ESG投資普及のため地域金融へ積極的に取り組むことを金融機関に求めています。地域金融とは特定地域の維持や発展を支援する金融機関の役割の一つです。

国はそうした地域金融を後押しするため「地域ESG金融促進事業」を策定し、さらに金融機関の地域金融として取組事例を積極的に紹介しています。

例えば北海道銀行は、水産資源の減少によって環境が悪化しつつある水産業へ多面的な支援を行っています。海洋環境の分析をはじめ、研究機関や他の金融機関、道庁などと連携した輸出入支援、コンサルティング、ビジネスマッチングなど、深く踏み込んだ地域金融を実践しています。

また群馬県を拠点にする東和銀行では、医療・福祉施設における災害対応型の電力自給モデル事業に取り組んでいます。これは太陽光発電や蓄電池、EV車両などを施設に導入し、災害時に患者や入所者への医療などを維持するものです。こちらも自治体や大学と連携した、積極的な取り組みになっています。